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[本部企画-S1-1]A Challenge for the Spirit of Taiiku

*Yosuke Hayashi1 (1. Osaka Kyoiku University)
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<演者略歴>
大阪教育大学教育学部保健体育部門・准教授。単著に『体育の学とはなにか』(道和書院、2023年)、共著に『体育原理』(みらい、2024年)、論文に「学問における『体育Taiiku』概念:『体育学研究』総説論文の結集に観るその創出と変遷」(『体育学研究』第65巻)他。2021年度日本体育・スポーツ・健康学会学会賞など。
体育学は人間の身体活動(身体運動)を研究対象とする応用科学、総合科学である。ところで2021年度から始まった学会内部の「横断部会」の軌跡を見渡すに、体育学がいま何を考え、そして向後にいかなる途を歩もうとするかについての視野が拓けてくる。本報告では体育学の全体像や学問としての独自性といった往昔の論題とその成果、「スポーツの価値」など再び勃興し始めた問題群、さらにメタ哲学(Meta philosophy)の知を動員することによる「体育学の目的」にも言及する。その結果、体育学の未来を担う若手・中堅研究者が講演後に共通して携えうる問題意識や問いの立て方、さらにこれから向き合うべき論題についての素材を提供したい。
 講演冒頭では「体育学史」を簡略に紹介することで議論の足場をつくる。具体的には「身体活動」を研究する歴史的な起源、制度としての体育学の誕生、現在に至るまでの軌跡を確認する。次に現在の学術界における体育学の位置づけと課題についても言及する。この言及中にはいずれ対峙すべき「健康・スポーツ科学の軍事利用の是非」といった重大な倫理問題も含まれる。最後に、国内外の社会そして世界のなかで体育学が果たすべき役割と意義そして目的について、横断部会のテーマを総覧・俯瞰しながらまとめていく。

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