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[スポーツ文化-B-02]プロスポーツ組織におけるオペレーションの柔軟性(経)Gioia法による質的検証

*Hiromu Uno1,2, Shiro Yamaguchi3,4 (1. Mukogawa Women's Univ., 2. Graduate School of Business Administration, Kobe Univ., 3. Univ. of Marketing and Distribution Sciences, 4. Vrije Univ. Brussel)
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不確実性は、プロスポーツ組織(PSOs)の経営実務を特徴づけるコアロジックの一つと言える。しかし、不確実性を行為遂行的に再生産する実践であるPSOsにおけるオペレーションの柔軟性(OF)発揮、すなわち事業活動における不確実性への柔軟な対応について、その全容は未解明である。他方、体育・スポーツ経営学はもとよりサービス研究分野において、オペレーションの柔軟性を捉える前提的な認識である事業活動に関する仮定は、製造企業的な変換モデルとサービス企業の文脈に即した価値共創モデルの二つが見られるが、両モデルを統合する試みは十分に行われているとは言い難い。
 そこで本研究では、Jリーグクラブを分析対象として、Gioia法という質的研究法を用い、PSOsのOFに関する理論的・経験的に頑健な構成概念を明らかにすることを目的とする。Gioia法は独自のコーディング・プロセスにより、データに基づく帰納的分析と既存理論を踏まえた演繹的分析とを繰り返すことができる。データは、Aクラブ(仮名)における管理職を中心に経営者およびスタッフ合計6名への半構造化インタビュー(9回)によって得た。コーディングや解釈は共同研究者と行い、理論的飽和に至るまで継続した。
 分析の結果、変換モデルと価値共創モデルの両事業観を統合した3次元(スポーツ組織の柔軟性、エンカウンターの柔軟性、スポーツサービスの柔軟性)の構成概念が抽出された。もとより体育・スポーツ経営学では、事業概念が導入される以前、事業者と運動者との相互作用が認識されていた。本研究の成果は、古典的なスポーツ事業論に改めて光を当てるものであり、本学問領域における事業概念を再検討する必要性を喚起するものと言える。

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