Presentation Information
[スポーツ文化-SA-2]Ideal and reality in the Olympic Truce resolutions
*Akari Kurosu1 (1. BIWAKO SEIKEI SPORT COLLEGE)
<演者略歴>
びわこ成蹊スポーツ大学准教授。一橋大学大学院博士後期課程単位取得退学、博士。専門はスポーツ史。
びわこ成蹊スポーツ大学准教授。一橋大学大学院博士後期課程単位取得退学、博士。専門はスポーツ史。
2023年11月、国連総会で2024年パリオリンピック・パラリンピックに向けた通称「オリンピック休戦決議」が採択された。大会前後を含む期間の休戦を求めるオリンピック休戦は、古代オリンピックの休戦協定に由来する。休戦決議は1993年から大会前年の国連総会で採択されており、パラリンピックも対象に含むようになった。しかし、この休戦決議は機能不全に陥っている。周知のように2022年にロシアはウクライナに侵攻し、3度目の決議違反を犯したからである。これは、スポーツと平和における理想と現実を如実に表しているといえるだろう。他方、国際オリンピック委員会(IOC)は、ロシアによる3度目の違反に対し、初めて休戦決議違反を明白に非難し、違反国家と政治指導者にスポーツ側からの制裁を下した。しかしその後、ロシアとベラルーシ選手の参加を容認したIOCの判断に対しては国際的な批判も起こった。本発表では、この国際的な決議が確立した契機とその目的を確認しながら、オリンピック・ムーブメントの観点から「オリンピック休戦決議」の現在地と、今後の展望についての私見を示したい。
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