Presentation Information
[スポーツ文化-B-16]発達的ニッチから学童期の子どもの身体活動量の特徴を考える(人,経,発)日本とケニアの比較を通して
*Xiaojie Tian1, Tetsuhiro Kidokoro2 (1. University of Tsukuba, 2. Nippon Sport Science University)
本発表は、発達的ニッチ (developmental niche) の理論的枠組みを用いて、学童期の子どもの身体活動量の文化的特徴を検討するものである。具体的に、日本の長野県佐久市内とケニアのカジアド県マサイの居住地という異なる生態的・文化的背景を持つ地域の小中学校の子ども(9〜14歳)を対象に、身体活動量を比較・分析した。また、その差異を裏付ける文化的要因を、発達的ニッチを構成する三要素「物理的・社会的環境」、「子育て慣習」、「子育て観」から検討する。
調査地のマサイの村には、小学校二校と中学校一校がある。現地の人々は学校教育に対して高い関心を持っており、現在、学齢の子どもはほぼ全員学校に通っている。佐久市の子どもたちも全員学校に通っており、両地域ともに、子ども自らが通学するという共通点がある。2022年に両地域で、活動量計(Actigraph)を用いて身体活動量を測定した(休日2日を含む、連続7日間)。その結果、まず、マサイの子どもは平日も休日も、佐久市内の子どもと比べて、中高強度身体活動が有意に多いことが認められた。佐久市の場合は、男女とも成長とともに活動量の低下が見られるが、マサイの子どもには低下傾向が見られず、個人レベルでのばらつきが特徴的である。
マサイは、ケニアのサバンナ地域で暮らしているウシ牧畜民であり、気候変動と近代化から強く影響を受け、牧畜のほか、農耕や出稼ぎなどの生業活動も展開している。マサイの子育ては、子どもの自立性と尊敬心を高く評価し、子ども独自による牧畜や家事への参加と貢献が求められおり、子どもも実際にこの価値観へ応答し、日々の活動と学びを展開している。本発表は、日本とケニアの子どもの身体活動量を比較した上で、特にマサイ社会を中心に、子育て観、子どもの活動環境、および子どもの日常生活から、その社会に特有な身体活動の文化的特徴を検討する。
調査地のマサイの村には、小学校二校と中学校一校がある。現地の人々は学校教育に対して高い関心を持っており、現在、学齢の子どもはほぼ全員学校に通っている。佐久市の子どもたちも全員学校に通っており、両地域ともに、子ども自らが通学するという共通点がある。2022年に両地域で、活動量計(Actigraph)を用いて身体活動量を測定した(休日2日を含む、連続7日間)。その結果、まず、マサイの子どもは平日も休日も、佐久市内の子どもと比べて、中高強度身体活動が有意に多いことが認められた。佐久市の場合は、男女とも成長とともに活動量の低下が見られるが、マサイの子どもには低下傾向が見られず、個人レベルでのばらつきが特徴的である。
マサイは、ケニアのサバンナ地域で暮らしているウシ牧畜民であり、気候変動と近代化から強く影響を受け、牧畜のほか、農耕や出稼ぎなどの生業活動も展開している。マサイの子育ては、子どもの自立性と尊敬心を高く評価し、子ども独自による牧畜や家事への参加と貢献が求められおり、子どもも実際にこの価値観へ応答し、日々の活動と学びを展開している。本発表は、日本とケニアの子どもの身体活動量を比較した上で、特にマサイ社会を中心に、子育て観、子どもの活動環境、および子どもの日常生活から、その社会に特有な身体活動の文化的特徴を検討する。
Comment
To browse or post comments, you must log in.Log in