Presentation Information
[競技スポーツ-A-11]体操競技における女子跳馬の「前転とび―前方伸身宙返り1 1/2ひねり」の安定化に関する発生運動学的一考察(方)
*Yuko Shintake1 (1. University of Tsukuba)
体操競技における跳馬は1つの跳躍技によって演技の価値点(Dスコア)が決する種目であり、この種目で高得点を得るためには、高いDスコアをもつ跳躍技を実施しなければならない。これまで世界体操競技選手権大会やオリンピック競技大会において、日本女子選手が成功させた跳躍技の中で最も難度点が高いのは、Dスコア5.4の「前転とび―前方伸身宙返り1 1/2ひねり」(以下、「チョソビチナ」と略す)である。しかし、世界的に見てもチュソビチナを実施できる選手は極めて少ない。したがって、この技を習得することは日本女子体操競技の国際競技力向上において重要な鍵となるだろう。
しかしながら、どんなに高いDスコアの跳躍技を試合で実施したとしても、失敗すれば大きな減点になってしまう。チュソビチナの実施を目指す選手やそれを促す指導者に向けて実践現場で活用できる情報を提供するためには、偶発的にできるための動きかたではなく、いつでも成功させられるという「安定化」(金子,2018,pp.494-511)の層位に達するための動感情報を開示する必要がある。
そこで本研究では、チュソビチナの安定化に至った元女子体操競技選手の動感経験に地平論的構造分析を施し、この技の安定化に至る動感志向性の特徴を明らかにすることを目的とした。その結果、チュソビチナの安定化を支える動感志向性の特徴として、運動課題に即した「命綱の意味核」を保有していること、それを支えるコツが階層的に存在すること、そして、そのコツを情況に応じて変容させていることが明らかになった。
しかしながら、どんなに高いDスコアの跳躍技を試合で実施したとしても、失敗すれば大きな減点になってしまう。チュソビチナの実施を目指す選手やそれを促す指導者に向けて実践現場で活用できる情報を提供するためには、偶発的にできるための動きかたではなく、いつでも成功させられるという「安定化」(金子,2018,pp.494-511)の層位に達するための動感情報を開示する必要がある。
そこで本研究では、チュソビチナの安定化に至った元女子体操競技選手の動感経験に地平論的構造分析を施し、この技の安定化に至る動感志向性の特徴を明らかにすることを目的とした。その結果、チュソビチナの安定化を支える動感志向性の特徴として、運動課題に即した「命綱の意味核」を保有していること、それを支えるコツが階層的に存在すること、そして、そのコツを情況に応じて変容させていることが明らかになった。
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