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[学校保健体育-B-18]柔道の頭部外傷を予防するための大外刈りの検討(測)

*Hironori Hayashi1, Yoshihisa Ishikawa2, Hidekazu Shoda3 (1. Biwako Seikei Sport College, 2. Faculty of Education, Osaka kyoiku University, 3. School of Physical Education, Osaka University of Health and Sport Sciences)
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【目的】2023年度の柔道の事故について、全日本柔道連盟は脳しんとう9件、急性硬膜下血腫1件、半球間裂硬膜下血腫1件、脱臼・骨折等を含む頚椎損傷7件が発生していたと報告している。事故18件うち半数以上の11件が頭部外傷であり、未だに重篤な頭部外傷やそれに発展する危険性のある脳しんとうが起きている。以前より大外刈りによる頭部外傷の危険は指摘されているが、どのような投げ方が危険であるか、どのような投げ方が安全であるかについて総合的に検討されていない。そこで本研究は、柔道の頭部外傷を予防するための大外刈りの投げ方を検討した。【方法】対象者は男性柔道熟練者(有段者)10名とした。対象者を投げる実験補助者は大外刈りの得意な男性柔道熟練者1名とした。実験補助者は、①一般的な大外刈り(以下、大外刈り)、②頭部外傷の危険性がある想定した大外刈り(以下、危険性のある大外刈り)、③頭部外傷を予防する大外刈りに代わる大外落とし(以下、大外落とし)でヘッドギアを付けた対象者をそれぞれ3回マットの上で投げた。その際、加速度計と慣性式モーションキャプチャで被験者の頭部角速度と挙動を測定した。本研究は、びわこ成蹊スポーツ大学研究倫理審査委員会で承認されたものである(成ス大第17号)。【結果】投げられる者の頭部最大角加速度について、①大外刈りは231.0 rad/s2、②危険性のある大外刈りは372.0rad/s2、大外落としは199.1 rad/s2であった。3つの投げ方を比較した結果、①大外刈りと②危険性のある大外刈りに有意な差は見られなかった。①大外刈りと③大外落としに有意な差が見られた。②危険性のある大外刈りと③大外落としに有意な差が見られた。【付記】本研究は、2022年度カシオ科学振興財団第40回研究助成を受けたものである。【利益相反】本研究に関して、開示すべき利益相反状態は存在しない。

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