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[学校保健体育-A-18]教師に学びをもたらす部活動顧問としての経験に関する研究(経)現職顧問教師対象の質問紙調査から
*Makoto Ito1, Norihiro Shimizu2, Toshihiro Hayashida2 (1. Tsukuba University Graduate School, 2. Tsukuba University)
部活動と教師に関する研究において、部活動に関与することで教師自身が得る効果についてはこれまで関心が向けられてこなかった。しかし、部活動の持つ課外活動としての意義は、教師にとっても重要である。部活動は生徒が学校で学んだことを実践・検証する場になることから、教師が自身の行った教育活動全体を顧みる機会となり得ることが指摘されている(神谷,2015)。また、教科指導や生活指導では、教師と生徒は「知っている」人間と「知らない」人間として二分されやすい。しかし、特に教師自身が競技および指導経験のない種目の部を受け持つことも多い部活動においては、教師は「知っている」とは限らず、生徒より「知らない」場合すらある。このような他の教育活動との立場の違いは、教師自身の在り方を揺さぶる可能性を孕んでいる。しかし、教師教育や力量形成の先行研究においても、部活動における顧問教師の学びについて検討した研究は見られない。対照的に、教師の授業力量の発達を阻害する要因として指摘するものも多い(小林,2006;須甲・四方田,2012;朝倉,2016)。そこで本研究では、部活動におけるどのような経験が教師に学びをもたらしうるのかを明らかにするため、現職顧問教師を対象とした質問紙調査を実施した。これまでの経験学習(Kolb,1984)、省察的学習(ショーン,1983)などの理論を用いた研究において学びの契機として示されてきた具体的な経験を参考に、部活動が持つ他の教育活動と異なる特徴を踏まえた経験項目を新たに作成した。調査実施期間は2024年3月である。調査対象は調査協力の承諾を得られた公立中学校57校の教師1117名(東北地方12校、関東地方35校、東海地方11校、北陸地方10校)、回収率は学校単位で86.2%(50校)、教員単位では57.0%(667名)であった。本発表ではその結果を報告する。
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