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[学校保健体育-B-28]大学生のデフスポーツに対する意識変容(ア)デフスポーツに関する講義を通して

*Soga Akabane1, Mayumi Saito1, Yukinori Nakajima2 (1. University of Tsukuba, 2. Tsukuba University of Technology)
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東京2025デフリンピック開催において、大会ビジョンとして「デフスポーツの魅力や価値を伝え人々や社会をつなぐ」「世界に、そして未来につながる大会へ」「“誰もが個性を活かし力を発揮できる”共生社会の実現」が掲げられている。しかし、デフリンピックはパラリンピックより歴史が深いにも関わらず認知度が低く、デフスポーツに関する教育プログラムは散見される程度である。一方で、齊藤(2012)はデフスポーツの理解のためには、「ろう・難聴者の理解」「スポーツにおけるろう・難聴者のコミュニケーション」「デフリンピックの意義」の3要素を含む教育プログラムが必要であると指摘しており、東京2025デフリンピックはデフスポーツを通した共生社会の創造への好機であるといえる。そこで本研究の目的は、ろう・難聴者理解の内容を含むデフスポーツに関する講義(以下デフスポーツに関する講義)が対象者のデフスポーツに対する意識に与える影響について検討することとした。対象は7大学222名の大学生である。出前講義として1単位時間の授業を実施し、その前後でアンケート調査を行った。調査項目はデフリンピックの認知度・イメージ、障害へのイメージの自由記述、デフスポーツに関する質問を4件法で回答させ、講義前後で対応のあるt検定を行った。その結果「手話を覚えたい」「デフリンピック選手と会話ができそうだ」「デフリンピックに関するイベントに参加したい」「デフリンピックのボランティアに参加したい」の項目それぞれにおいて、有意差が認められた(<.001)。本研究において、デフスポーツに関する講義が、大学生のデフスポーツに対するイメージにポジティブな影響を与えることが示された。デフスポーツに関する講義を通して得られた、ろう・難聴者とコミュニケーションが取れるという意識がデフスポーツの理解への一歩につながることが推察される。

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