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[健康福祉-A-01]非アルコール性脂肪肝有所見者におけるインスリン抵抗性指標TyG indexと加速度計で計測された行動指標との関連(介,測)
*Kenji Tsunoda1,2, Naruki Kitano2, Yuko Kai2, Takashi Jindo3,2 (1. Yamaguchi Prefectural University, 2. Meiji Yasuda Life Foundation, 3. Osaka Kyoiku University)
肝臓は血糖値の恒常性を維持する上で重要な臓器であるが、非アルコール性脂肪肝(NAFLD)保有者では、この糖調整機能が低下し、糖尿病発症リスクが急増する。さらに、糖尿病の基盤病態であるインスリン抵抗性は、高インスリン血症による過剰な中性脂肪の合成を招き、肝内の脂質蓄積、線維化を進行させることが報告されている。そのため、NAFLD保有者においてインスリン抵抗性を予防することは糖尿病合併および重度肝疾患への増悪を防ぐ上で極めて重要である。そこで本研究では、NAFLD有所見者を対象に、座位行動および身体活動と、インスリン抵抗性との関連性を横断的に検証することを目的とした。調査は、明治安田ライフスタイル(MYLS)研究の一環として行われ、腹部エコー検査と飲酒量によりNAFLD有所見者と判定され、かつ三軸加速度計による行動評価を受けた1039名(平均52.2±9.2歳、女性40.6%)を分析対象とした。インスリン抵抗性の評価には、近年注目の指標であるtriglyceride-glucose (TyG) indexを用いた。各種共変量で調整した重回帰分析の結果、TyG indexに対し、低強度活動と中高強度活動は抑制的に関連し、座位行動は促進的に関連した。TyG index高値(8.65以上)に対するスプライン曲線回帰分析(ポアソン回帰分析に基づきPrevalence Ratio:PRを算出)では、中高強度活動が1日1時間に達するまでPRの減少幅が大きく、座位行動は1日10時間に達するまでPRの上昇幅が大きいことが確認された。なお、低強度活動ではTyG index高値に対する明確な量反応関係はみられなかった。これらの結果から、NAFLD有所見者において、インスリン抵抗性の亢進を抑えるためには、中高強度活動の実践と長時間の座位行動の回避が重要であることが示唆された。
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