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[健康福祉-B-07]過去のスポーツ系習い事が女子大学生の自信に及ぼす影響(測)ポリコリック相関係数による分析

*kazufumi takahashi1, Reiko Hayashi2, Shuichiro Inashima3 (1. Kinjo Gakuin Univ., 2. Nagoya University of Arts and Sciences, 3. Aichi Prefectual Univ.)
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本研究の目的は、過去に取り組んだスポーツ系の習い事が女子大学生の自信に及ぼす影響をポリコリック相関係数により分析することである。厚生労働省(2020)によると、小学3年生で「習い事をしている」割合は、87.7%と報告されている。また、複数の先行研究によると、スポーツ系の習い事は、非認知能力を高めることに有効に作用することが指摘されている。本研究では、165名の女子大学生を対象として、彼女らが過去に経験した習い事の種類をもとに、スポーツ系群とそれ以外の2群に分類して、習い事による影響を17の項目で評価した。17項目は、認知能力や非認知能力に関わる項目を設定し、本研究では、特に「自信」に着目して分析を行った。習い事によって「自分に自信が持てるようになった」ことに対して、ポリコリック相関係数を求めたところ、スポーツ系の習い事は、「集中力がついた」「友達ができた、増えた」「家族とのコミュニケーションが増えた」「一つのことをやり通す粘り強さがついた」「体力がついた」との間に0.6以上の相関関係を認めた。他方で、スポーツ系以外の習い事は、その習い事によって「技術・能力が身についた」「学生時代に役に立った」「その習い事が好きになった」との間に0.6以上の相関関係を認めた。これらの結果から、スポーツ系の習い事の経験は、集中力やコミュニケーション、粘り強さなどの非認知的能力の側面から自信に結びついていると考えられた。スポーツ系以外の習い事の経験には、学習系や芸術系が含まれており、これらの経験は、技術や能力などを身につけ、学生時代に役立ったという認知的能力の側面で自信に結びついていると考えられた。すなわち、スポーツ系の習い事とそれ以外の習い事では、女子大学生の自信を高めることに異なる要因が作用していた。この知見は、習い事が自信をもたらす機序をSEM等でモデル化する際にも活用できる。

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