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[学校保健体育-B-30]女子大学生の持久走授業におけるペース配分(心)内受容感覚への気づきの多次元的評価を用いた検討
*Yuya Maruo1 (1. Tokyo Women's College of Physical Education)
本研究は、女子大学生の持久走の授業におけるペース配分について、記録上位群、記録中位群、記録下位群で異なるか明らかにすることを目的とした。持久走は、”きつい”、”苦しい”などの理由から敬遠されがちな教材である。持久走に慣れ親しんでいない児童や生徒は、単に持久力が低いというだけでなく、持久走のペース配分に改善の余地があるという。また先行研究では、持久走の熟練者のほうが非熟練者よりも呼吸や疲労に注意を向けていることが報告されている。走パフォーマンスと内受容感覚の個人差との関連性も検討した。実験参加者は70名であった。走パフォーマンスの測定には、800mのタイムトライアルを用いた。記録によって記録上位群、記録中位群、記録下位群に群分けした。内受容感覚の個人差の測定にはMultidimensional Assessment of Interoceptive Awareness (MAIA)尺度日本語版を用いた。800mのタイムについて、群×区間タイムの2要因分散分析を行った。800m走のタイムとMAIA得点の関係性について、ピアソンの相関分析を行った。分析の結果、記録中位群及び記録下位群の区間タイムの維持率は、300m以降の区間のほうが0-100m区間よりも低かった。記録上位群では、区間タイムの維持率に有意差はなかった。800mのタイムが速い者ほど、注意制御得点、感情への気づき得点、自己制御得点、信頼得点が高かった。記録上位者は、記録中位群、記録下位群よりも区間タイムの維持率が高かったことから、ペースを一定にコントロールしながら走り切れていた。記録中位群、下位群では、300m以降のペースの低下が著しいため前半のペースをより抑える必要があるだろう。また走パフォーマンスの高い者ほど自分の身体を信頼し、身体感覚と感情状態に対して注意を保ちながら、苦痛を調整する心的特性が高い可能性がある。
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