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[生涯スポーツ-A-04]冬季スポーツ競技大会関係者のソーシャル・キャピタルに関する研究(生,社)2022年北京冬季オリンピックの審判員を中心に

*FANGZHOU ZHANG1, MITSUYO YODA1 (1. Nippon Sport Science University)
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【背景】中国では改革開放以降、社会問題が深刻化し、スポーツ界においても汚職や運営の未成熟が顕在化している。社会全体で信頼の低下が指摘された中、ソーシャル・キャピタル(以下SC)の蓄積の重要性が高まっている。SCとは、社会的ネットワークとそれに伴う信頼や規範を指し、地域社会における協調行動を促進する要素である。本研究は、スポーツ審判員を対象とし、審判経験がSCの構築に与えた影響を明らかにすることを目的とした。
【方法】本研究は、中国A省の審判団体に所属する審判員を対象にアンケート調査を実施した。調査項目に基づき探索的因子分析を行い、地域信頼と結束力、地域不安、地域活動の参加、近隣関係と交流の因子を確定した。データ分析にはIBM SPSS Statistics 29を使用し、5%未満の有意水準を設定した。SC項目に対するKMO標本妥当性は0.90を示し、Cronbachのα係数は0.80以上の信頼性を確認し、構造方程式モデリングで仮説モデルを検証した。
【結果および考察】調査結果では、審判活動への参加は地域信頼に有意な正の影響を与え、地域不安には負の影響を及ぼすことが明らかになった。具体的には、審判経験がある審判員は、地域活動を通じて地域社会とのつながりを強化し、地域不安の影響を受けにくい傾向が示された。また、地域交流および社会参加は地域信頼の向上に寄与することが確認され、審判経験がある審判員はより強い結合型SCの形成に寄与することが示唆された。本研究では、地域活動への参加が地域信頼の向上に寄与することから、地域社会の活動に積極的に関与することがSCの蓄積に重要である。特に、審判活動への参加は地域信頼と結束力を強化し、地域不安を軽減することが示された。今後は、他の地域や競技大会におけるSC形成の事例をさらに調査し、SCの重要性を多角的に明らかにすることが期待される。

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