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[健康福祉-A-06]eスポーツのプレーが引き出す絆形成の社会生理機構と炭酸水による促進効果(生)

*Takashi Matsui1, Wataru Kosugi2, Seiichi Mizuno2 (1. Univ. of Tsukuba, 2. Asahi SoftDrink Sales)
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最大の健康リスクである孤独・孤立をインクルーシブに解消しうる方策の1つにeスポーツが期待される。絆は絆ホルモン「オキシトシン(OT)」、自他の行動や生理同調により形成されるが、eスポーツ時のそうした社会生理機構は大部分が不明である。私どもは、eスポーツのオフラインプレーがOT分泌を促進し、友好的気分を高めることを明らかにしてきたが、行動・生理同調は不明のままで、その促進策の開発も課題である。本研究では、eスポーツのオフラインプレーがOT分泌のみならず心拍や表情の同調を惹起し、それらが炭酸水の同調飲用で促進されると想定し、これを検証した。
若齢成人男性16名に、バーチャルフットボールを単独、オフライン対戦、オンライン対戦でプレーしてもらった。心拍数と表情を常に測定しながら、プレーの前と終了直後に唾液を採取し、OTをELISA法により定量した。同調は相互相関関数で、絆はProfile of Mood States 2(POMS)とInclusion of Other in the Self (IOS)で評価した。最後に、同様の条件で炭酸水の同調飲用の効果を真水とのランダム化クロスオーバー試験で検証した。
対戦プレーは、単独プレーに比べて心拍数、笑顔の時間と強度、OT濃度を高めた。心拍数と笑顔の同調は、オフライン対戦プレー中にのみ観察された。これらの社会生理機構の亢進は、友好的気分や絆指標の改善とともに生じた。炭酸水の同調飲用は、真水の同調飲用と比べて、これらの社会生理機構をオフラインとオンラインでともに高めた。
本研究により、eスポーツのオフラインプレーがOT分泌のみならず、自他の心拍や表情の同調といった社会生理機構を引き出すことが示唆された。炭酸水の同調飲用は、おそらく炭酸の物理刺激による「身体性の共有」を通じて、eスポーツの絆形成効果をオフラインとオンラインでともに促進する可能性がある。

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