Presentation Information
[学校保健体育-B-07]子どもの体力の縦断的変化と親の運動・スポーツに対する意識との関係(教,測,発)体力水準の低い集団に着目して
*Kenta Otsubo1, Kosho Kasuga2, Norihiro Shimizu3, Takahiro Nakano4 (1. Gifu Kyoritsu University, 2. Gifu University, 3. University of Tsukuba, 4. Chukyo University)
第3期スポーツ基本計画に示されている通り、低体力水準(新体力テストにおけるD・E評価)の子どもの割合を減少させることは喫緊の課題である。そこで本研究では、子どもの体力の縦断的変化と親の運動・スポーツに対する価値観との関係を体力水準の低い集団に着目して検討することを目的とした。対象は、2021年度にG県T市の中学校に在籍し、本研究参加への同意が得られた中学校1年生から3年生計2263名の生徒およびその保護者であった。調査にあたり、研究協力を得た教育機関より対象が小学生時(小3〜小5)および中学生時(中1〜中3)における新体力テストの調査結果を収集した。また、親の運動・スポーツに対する価値観について、先行研究を参考に質問紙を作成し7項目の設問に対してそれぞれ5件法(5.とてもそう思う〜1.全くそう思わない)で保護者より回答を得た。質問紙は、対象が小学生時において実施し、収集した2年分の体力データと連結した。新体力テストの測定結果より5段階の総合評価(A〜E)を算出し、対象のうち向上群(小学生時の体力総合評価がDまたはEかつ中学生時の評価がC以上)および維持・低下群(中学生時の評価がD・E)の2群に該当する者を抽出した。親の運動・スポーツに対する価値観に関する7項目においてt検定を用いて群間比較を行った。分析の結果、4項目において群間に有意な差が認められた。「子どもが身体を動かす機会を増やしたい」および「運動やスポーツを通して子どもが成長してほしい」の2項目では、向上群が維持・低下群と比べて有意に高値を示した。「子どものスポーツ活動には関心がない」および「スポーツよりも勉強や別のことに取り組んでほしい」の2項目では、維持・低下群が向上群よりも有意に高い値を示した。これらのことから、体力水準の低い子どもの体力変化に対して保護者の運動・スポーツに対する意識が関係することが示唆された。
Comment
To browse or post comments, you must log in.Log in