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[学校保健体育-A-06]コツとカンの指導に関する一考察(史,教,方)
*Moriatsu Nakasone1 (1. Tokyo Gakugei Univ.)
運動指導場面では、その運動特有のコツやカンを指導することはいうまでもない。発生運動学でいうコツやカンといった用語は「何かをうまく〈できる〉ようにするポイント」(金子、2015、p.124)であり、理論的な運動指導を行うために定義された用語である。ここでいうコツとは「自分がどう動くか」といった自分へ向けた意識作用であり、カンとは「情況がどうなっているか」を捉えることである。コツとカンは同一の出来事に対して働いているものであり、コツが働いているときには、同時にカンが身を隠し、その動く感じは同時反転性をもっている。
上記、運動指導において重要なコツやカンであるが「公共性を持つ技術や私一般のコツの指導法、あるいは、マクロ的な戦略や斬新な戦術は、現場では最優先の課題であるのはよくわかっているのに、その厳密な分析研究は放置されたまま、そのすべてはコーチないし教師に丸投げされる」(金子、2002、pp.232-233)ことが指摘されている。つまり、現場の指導者にはどんなコツから指導すればいいのか、いつからカンを指導するべきなのか丸投げされているのである。
本研究では発生運動学におけるコツやカンといった身体知の指導を事例を通じて考察し、そのコツやカンといった身体知の指導順序を提案することである。それにより、現場における運動指導の理論体系構築へ役立てようとするものである。
本研究では運動指導の事例からコツとカンの関係性について以下のことが示唆された。
・運動を行う際には、その運動を構成するために最低限のコツが必要である。
・カンが意識されているときには、自動化されたコツが必要である。ただし、コツがあっても発生しないカンもある。
・カンを育てる中で、コツが身につく場合もある。
・カンを育てようとしても本人のコツに見合ったレベルのカンしか働かない。根本的にはコツに焦点をあてた基礎技能を習熟させる必要がある。
上記、運動指導において重要なコツやカンであるが「公共性を持つ技術や私一般のコツの指導法、あるいは、マクロ的な戦略や斬新な戦術は、現場では最優先の課題であるのはよくわかっているのに、その厳密な分析研究は放置されたまま、そのすべてはコーチないし教師に丸投げされる」(金子、2002、pp.232-233)ことが指摘されている。つまり、現場の指導者にはどんなコツから指導すればいいのか、いつからカンを指導するべきなのか丸投げされているのである。
本研究では発生運動学におけるコツやカンといった身体知の指導を事例を通じて考察し、そのコツやカンといった身体知の指導順序を提案することである。それにより、現場における運動指導の理論体系構築へ役立てようとするものである。
本研究では運動指導の事例からコツとカンの関係性について以下のことが示唆された。
・運動を行う際には、その運動を構成するために最低限のコツが必要である。
・カンが意識されているときには、自動化されたコツが必要である。ただし、コツがあっても発生しないカンもある。
・カンを育てる中で、コツが身につく場合もある。
・カンを育てようとしても本人のコツに見合ったレベルのカンしか働かない。根本的にはコツに焦点をあてた基礎技能を習熟させる必要がある。
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