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[競技スポーツ-B-02]女性活躍社会の牽引を目指す日本サッカー界の取り組みに関する研究(方)WEリーグにおける女性コーチの登用に着目して
*Kaede Tai1, Yusuke Hirashima2, Masao Nakayama1 (1. Tsukuba Univ., 2. Shizuoka Univ.)
2021年9月に日本初の女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)が開幕した。WEリーグは、日本の競技スポーツのトップリーグとして初めて参入基準に女性登用を義務付け、競技現場においても「コーチングスタッフの中に女性指導者1名以上を含むこと」という独自の項目を設けている。加えて、それらの達成度合いを女性登用比率表として「見える化」している。女性コーチが直面するバリアとサポートについて、LaVoi and Dutove(2012)は生態系理論を基にエコロジカルモデルを作成し、女性コーチを増やすための取り組みの多くが個人や対人間レベルに焦点が当てられていることを指摘している。また、国内競技スポーツにおける女性活躍推進の具体的な取り組みや研究は依然として限られており、雇用側の視点からの研究は未だない。そこで、本研究では、エコロジカルモデルの組織レベルである雇用側の視点に着目し、女性コーチ登用を義務付けたWEリーグにおいて、女性コーチを登用するまでのクラブの取り組みと直面したバリアについて明らかにすることを目的とした。
目的達成のため、女性コーチ登用に関する参入基準を達成している4クラブを選定し、コーチングスタッフの編成や方針の決定を担う者4名に半構造化インタビューを実施した。インタビューデータは、質的分析手法であるSCATを用いた。
女性コーチを登用するまでの取り組みとして、ジェンダーバランスを考慮した雇用やリソースの最適化、形式的な達成などが挙げられた。また、直面したバリアとしては、リーグの期づれや、女性コーチの自己効力感の欠如による交渉断念、登用に至るまでに時間がかかることなどが挙げられた。
今後は研究の対象を増やし、縦断的な調査を行っていくことで、WEリーグ開幕による女子サッカー界への影響や、他組織への応用の手助けとなるデータの提示が可能となると考えられる。
目的達成のため、女性コーチ登用に関する参入基準を達成している4クラブを選定し、コーチングスタッフの編成や方針の決定を担う者4名に半構造化インタビューを実施した。インタビューデータは、質的分析手法であるSCATを用いた。
女性コーチを登用するまでの取り組みとして、ジェンダーバランスを考慮した雇用やリソースの最適化、形式的な達成などが挙げられた。また、直面したバリアとしては、リーグの期づれや、女性コーチの自己効力感の欠如による交渉断念、登用に至るまでに時間がかかることなどが挙げられた。
今後は研究の対象を増やし、縦断的な調査を行っていくことで、WEリーグ開幕による女子サッカー界への影響や、他組織への応用の手助けとなるデータの提示が可能となると考えられる。
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