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[競技スポーツ-SB-2]A discussion of the concepts of diversity and social inclusion and their affinity with competitive sports

*Hideki Takaoka1 (1. Keiai University)
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<演者略歴>
筑波大学大学院人間総合科学研究科単位取得退学。博士(体育科学)。筑波大学体育系特任助教、東京医科歯科大学非常勤講師等を経て現職。敬愛大学経済学部教務委員長、硬式テニス部長。千葉競輪場開催業務等包括委託審査委員会委員。専門はスポーツ哲学。
競技スポーツが社会理念の実現に貢献するための最もオーソドックスな方法は、自らの実践においてそれを体現することではないだろうか。本報告では哲学の立場からシンポジウムのキー概念である多様性(ダイバーシティ)と社会的包摂(ソーシャル・インクルージョン)の概念整理を試み、その体現が本当に可能なのか検討する。
 社会理念としてのダイバーシティは、1960年代アメリカにおいて、個人の属性による雇用差別を禁じた雇用機会均等法の中で登場したものである。1980年代以降、グローバル化やサービス経済化の進展において、多様な人材の活用により企業の競争優位を獲得する「ダイバーシティ・マネジメント」が注目され、企業経営の手法として位置づけられていった。一方、ソーシャル・インクルージョンは1970年代のフランスでソーシャル・エクスクルージョンとの対比において登場したものであり、障害者、薬物依存症者、非行少年といった社会的に排除された人々を支援し、社会に包摂することを目的とした概念である。すなわち前者は企業経営、後者は社会政策という、全く異なった文脈に由来する概念である。
 こうした認識を前提として、競技スポーツの実践と両者の親和性の有無について考察していく。

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