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[04生-口-03]人の体軸を支える神経-筋のsHSP/αB-クリスタリンによる適応細胞メカニズム「細胞動画」と「臥位身心調律運動」をつなぐ「身心一体科学」からの「体育研究教育の再考」

*Yoriko Atomi1, Eri Fujita2 (1. Teikyo University, ACRO, Div of Open Innovation, Endowed Chair, 2. Faculty of Medical Technology, Department of Sport and Medical Science, Teikyo University)
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[背景]日本人は男女とも世界一位を競う長寿命であるが、健康寿命との差は各々9年12年であり長い。歩行やジョギングと筋力トレーニングが推奨されているが、40歳から直線的に増加する膝痛腰痛への対策なしに運動実施は難しい。発表者の膝関節症・腰痛を消失させた「臥位身心調律運動」と名付けた体軸制御と下肢を連動させた調律運動の考え方と方法については「身心一体科学 考え方と方法」(跡見順子2024)として報告した。 [仮説] 身体は37兆個の柔らかい細胞から成る多関節構造であるため、重力場における立位での体育運動の実施は、原理原則からの見直しが必要である。脊椎動物である人では体軸制御が鍵であり、人の身体の基本の成り立ちや細胞適応原理から体育研究教育の考え方と方法の再考が必要であり、そのマーカーとして細胞のダイナミクスを支えるHSP/αB-クリスタリン(αB)1)に注目することで、適応メカニズムが解明できる。適応マーカーとして長年研究してきたαBは、有酸素運動を担う心筋とともに体軸を支える抗重力筋に多く、身体をつくる細胞の骨格構造を生み出す細胞骨格タンパク質のフリーフォームの品質管理をして、動的状態を維持している。[方法と結果]αBの発現を増減させたL6筋芽細胞及びNeuro-2a神経芽細胞を用いて、可視化動的映像を解析した結果、αB発現の低下は、チューブリンタンパク質の変性凝集を増加させミトコンドリアの輸送を滞らせることが分かった。[考察] チューブリンは、神経細胞では軸索の基幹構造である。またαB-クリスタリンは、骨格筋の伸張性収縮で、サルコメアZ帯に移動することから、伸張性収縮・マイルドストレスのマーカーとして使えることが報告されている。更なる研究によりαB-クリスタリンの細胞内の時空間制御メカニズムを解明したい。

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