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[08測-口-05]認知機能が著しく低下した高齢者ドライバーのDual-task及び身体機能特性
*Shunsuke Yamaji1, Takayoshi Yamada1, H S2 (1. University of Fukui, 2. F)
高齢者ドライバーの安全運転には一定水準以上の身体・認知機能が必要であるが、認知機能が著しく低下しても運転を継続する者は少なくない。我々はハンドル操作とアクセル・ブレーキ操作による制動を踏まえたDual-task test(DT)を開発し、高齢者ドライバーの安全運転能力の評価を試みている。本研究では65~94歳(76.8±6.8歳)の地域在住高齢者275名(男性75名,運転免許保有者210名)を対象として、MoCA-Jにより認知機能が著しく低下(<21点)した群(低下顕著群42名: ドライバー26名)を抽出し、DT及びその他の身体機能特性について、ドライバーと非ドライバー間を比較した。また、低下顕著群より高い認知機能群(中・高群233名:ドライバー184名)でも同様の比較を行った。本研究では単純選択反応課題(画面中央に3秒間隔で交互して8回表示される青もしくは赤丸に応じて素早く足部ペダル(青:アクセル、赤:ブレーキ)を踏む)と2つのDT課題(DT1:単純選択反応課題に加え、画面四隅に表示される目標点にスティック操作で合わせる、DT2: 単純選択反応課題に加え、画面左端に正弦波形で画面上に移動する目標点をスティック操作で追従する)を実施した。各条件におけるペダル反応時間、ペダル選択を誤った回数を測定した。また、生活空間、ADL、易転倒性を調査し、種々の形態、身体機能測定も測定した。年齢と性を共変量とした低下顕著群のドライバー・非ドライバー間の共分散分析の結果、単純選択反応、DT課題変数に有意差は認められず、握力、膝伸展筋力、開眼片足立ち、及び10m歩行においてドライバーが非ドライバーより優れていた。この傾向は中・高群には認められなかった。認知機能が低下し、DT遂行能力も劣にも関わらず、運転を継続するのは筋力、歩行能力、バランス能力の維持が寄与していると推測された。
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