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[01史-口-10]ライプチヒ学派「トレーニング論」の変遷(4)競技スポーツの理論と実践誌(1963年創刊号と第二第三合併号)の分析から

*Katsumi Watahiki1 (1. Naruto University of Education)
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本発表の目的は,1963年に発刊された「競技スポーツの理論と実践」(TPL)誌の創刊号と第二・三の合併号の用語分析である.既報でも指摘したように,1960年代から1970年代に,トレーニング理論の根幹をなす諸概念が整理され,トレーニング学研究の対象や方法が形作られた.TPLはこの過程を詳細に検討するための基礎資料と評価できる.応用トレーニング研究所のアーカイブで公開されており,さまざまな観点からの検討や検証が可能になっている.本研究では一次現物資料をもちいたが,印刷の不具合なども散見されたので,アーカイブ資料も活用した.作業の手順は既報とおなじく,現物のコピーを作成し,PDF化したあと,OCRによってテキストマイニングソフトで活用できるテキストファイルを作成した.Khcoderを利用し,第三報で作成した,トレーニング学基幹用語リストを加筆修正し,トレーニング関連語,パフォーマンス関連語,などにタグ付け作業を行い,対応分析,共起分析を行った.そこから得られた結論としては,創刊号では,第一に基幹用語リストのうちトレーニングの計画や評価という用語がよく使われれていること,第二に,スポーツ医(学)という用語がつかわれていること,合併号では,第一にトレーニング負荷,トレーニング分量,トレーニング頻度,トレーニング周期といった,トレーニング計画の内容をなす用語が使われていた.第二に,さらに,負荷要素,休息期なども,トレーニングの周期構成のための用語が登場する.これらの特徴は,創刊号がトレーニングの計画や評価に関わる論文ではじまり,スポーツ医学的なトレーニング随伴研究の試行に関わる論文が集められていることからくるものと思われる.合併号では,直前の試合準備のシンポジウムの論文が集められていることもあり,主要な試合にむけた準備トレーニングの体系化に関する用語が使われることになった.

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