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[05バ-口-09]身体に対して内側斜め上方へ牽引するスポーツブラジャーの構造は運動中の体幹に対する乳房揺動の振幅と位相ずれを抑制するか
*Yasuko Hirono1, Osamu Takeda2, Chie Kataoka1, Mayumi Saito1, Norihisa Fujii1 (1. Institute of Health and Sport Sciences, University of Tsukuba, 2. Graduate School of Comprehensive Human Sciences, University of Tsukuba)
女性にとって運動中の体幹に対する乳房の振れ(以下,乳房振動)は,乳房の痛みや不快感を生むことから,乳房振動を抑えることができるスポーツブラジャーは女性の積極的な運動参加のために重要なアイテムのひとつである.我々は,スポーツブラジャーに左右それぞれの乳房を身体に対して内側斜め上方へ牽引する構造(以下,フロントクロス構造)を施すことで,乳房振動をより抑えることができるのではないかと考えた.そこで本研究では,通常のスポーツブラジャー着用時とフロントクロス構造を有したスポーツブラジャー着用時の運動中の乳房振動を比較することで,フロントクロス構造が乳房振動に与える影響を確認することを目的とした.成人女性15名のトレッドミル上での5分間ランニング(7km/h)を対象として,光学式3次元モーションキャプチャシステムを用いて身体特徴点および乳頭の3次元座標値を測定した.胸骨上縁を体幹の動きを表す代表点として,体幹および体幹に対する乳頭(以下,乳頭)の変位,速度および加速度を算出した.各対象者について体幹および乳頭の各変数の前後・側方・鉛直成分の値を周波数分析した後,体幹において変数・成分ごとに最も振幅の大きい周波数をその変数・成分の主周波数と定義した.そして,各変数・各成分の主周波数における乳頭の振幅および体幹と乳頭の位相差を算出することで,乳房振動を揺れの大きさと体幹に対する揺れの遅れに分けて評価した.条件間の差は対応のあるt検定を用いて検定を行い,有意水準は5%とした.すべての変数において鉛直成分では通常のスポーツブラジャーよりもフロントクロス構造を有したスポーツブラジャー着用時の方が振幅および体幹に対する位相ずれが有意に小さかったが,前後・側方成分では有意な差は示されなかった.当日は,側方への動きの大きなサイドステップ試技の結果を加えてフロントクロス構造の影響を詳細に議論する.
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