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[00哲-口-01]エコロジカル・アプローチに基づく体育授業の評価方法に関する研究

*Shuhei Kitagawa1, Shingo Takane2, Kohki Uwaizumi3 (1. Aichi University of Education, 2. Tokoha University, 3. Hiroshima University)
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本研究は、エコロジカル・アプローチの観点から体育授業における評価方法の新たな視座を提示することを目的とする。エコロジカル・アプローチとは、人間の活動を環境との規模で捉える立場である。この立場における体育の〈できる〉は、身体と環境のマッチングとして捉えることができ、環境が変わることによって、それまでの〈できる〉が〈できない〉へ、逆に〈できない〉が〈できる〉へ変化したりする。このように〈できる〉〈できない〉を身体と環境の規模で捉えることは、環境から切り離した身体能力としての「できる」とは異なる、新たな〈できる〉の概念をもたらす。エコロジカル・アプローチの観点から〈できる〉を捉えるならば、例えばある環境で跳ぶためにその環境に合わせて跳び方を変えることや、跳ぶという身体能力が発揮できるように環境を整えるといったように、跳ぶという運動課題を解決するために、身体あるいは環境を適宜変化させることで跳ぶに適した身体と環境のマッチングを生み出すスキルであるといえる。そのため、体育授業において授業者は、児童・生徒に自らの身体にあわせて環境を変える自由度を与えることが必要であり、体育における〈できる〉を身体と環境の規模であるエコロジカルな規模で捉えるべきであるといえる。このように体育における〈できる〉を、身体と環境をマッチングさせること、として捉えることは、新たな評価方法の提示へと発展すると考える。例えば、定量的測定によっては数値的に運動能力が劣ってしまうような児童・生徒に対して、〈できない〉を〈できる〉へとするために自身の身体能力に応じて環境を変える能力、すなわち、身体と環境のマッチングを生み出すための創造力や課題解決能力という基準で評価できるだろう。このことは、体育授業に身体と環境を含めた課題解決能力を育むという意義をもたらすことにより、体育の新たな教育的意味の創造につながると考えられる。

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