Presentation Information
[06経-口-01]中国サッカースーパーリーグに所属するクラブにおけるマーケティング活動に関する研究上海申花クラブを事例に
*YINGJUN BI1 (1. Ritsumeikan University)
中国国務院第46号文書は、スポーツビジネス発展には国民健康レベルの向上、新しい経済の成長点の育成にメリットがあると指摘している。しかし、最もプロ化が進む中国サッカースーパーリーグ(以下、CSL)で過去数年間多くのクラブが経営不振でリーグから撤退している。馬(2021)は、CSLクラブは親企業の資金依存体質で、クラブの自立的な経営モデルが求められると述べる。種子田(2020)はプロスポーツビジネスのすべての収入は直接的・間接的にファンがいるからこそ得られると述べ、ファンマーケティングの意義を示している。
本研究は、上海申花クラブのマーケティング活動の実態を把握する。そこで、文献調査とクラブマネージャーへの半構造化インタビュー調査を行った。そこで得たデータを分析し、CSLクラブのマーケティング活動は、SNSとファン組織を柱とする活動が進んでいるが、まだ十分とは言い難い。その理由は主に二点ある。
一つ目は、CSLクラブは競技部門と宣伝部門に分かれており、理念や考え方が共有されていない。その中で競技部門がクラブの運営方針を主導し、「成績が上がれば、ファンたちが多く集められる」という思想で、多くのCSLクラブは経営資源をファンへのマーケティング活動ではなく、クラブの競技力向上に集中している。
二つ目は、上海申花クラブの親企業は国営企業であるため、すべてのマーケティング活動を実施する際に、親企業の意向を反映させなければならない。また、クラブがマーケティング活動を行う際に立案から実行まで、行政からの多くの制限で、クラブの実施可能な活動は少ない。
したがって、上海申花クラブにはエンタメ企業として、組織の全体最適の観点が欠如している。また、上海申花クラブを巡る外的要因がクラブのマーケティングの実施を阻害している。こうした傾向はCSLクラブのマーケティングに共通したものであると見られる。
本研究は、上海申花クラブのマーケティング活動の実態を把握する。そこで、文献調査とクラブマネージャーへの半構造化インタビュー調査を行った。そこで得たデータを分析し、CSLクラブのマーケティング活動は、SNSとファン組織を柱とする活動が進んでいるが、まだ十分とは言い難い。その理由は主に二点ある。
一つ目は、CSLクラブは競技部門と宣伝部門に分かれており、理念や考え方が共有されていない。その中で競技部門がクラブの運営方針を主導し、「成績が上がれば、ファンたちが多く集められる」という思想で、多くのCSLクラブは経営資源をファンへのマーケティング活動ではなく、クラブの競技力向上に集中している。
二つ目は、上海申花クラブの親企業は国営企業であるため、すべてのマーケティング活動を実施する際に、親企業の意向を反映させなければならない。また、クラブがマーケティング活動を行う際に立案から実行まで、行政からの多くの制限で、クラブの実施可能な活動は少ない。
したがって、上海申花クラブにはエンタメ企業として、組織の全体最適の観点が欠如している。また、上海申花クラブを巡る外的要因がクラブのマーケティングの実施を阻害している。こうした傾向はCSLクラブのマーケティングに共通したものであると見られる。
Comment
To browse or post comments, you must log in.Log in