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[06経-口-03]スタジアム・アリーナが共創のハブとして地域・コミュニティの発展に果たす役割HOKKAIDO BALLPARK F. VILLAGEと北広島市にみる「共同創造空間」の創造

*Yuri Hirayama1 (1. Graduate School of Ritsumeikan University.)
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プロスポーツビジネスの核となるスタジアム・アリーナには、エンターテインメント性と集客力の向上で収益を生みだす点と施設の本拠地となる地域・コミュニティの活性化に貢献しうる点から将来性が評価されている。プロスポーツ組織によるスタジアム・アリーナでの優れた経験価値の提供、経験の消費を通じた地域・コミュニティ発展への貢献は、ステークホルダーの理解や賛同で成り立つ。日本のプロスポーツ組織は、ステークホルダーと協働し、社会の円滑な機能に向けスタジアム・アリーナの有用性を発揮、実現していかねばならない。これらの点から本研究では、北海道日本ハムファイターズ(以下、ファイターズ)が北海道北広島市に建設した複合空間「北海道ボールパークFビレッジ」(以下、Fビレッジ)とその中核施設「エスコンフィールドHOKKAIDO」をめぐる「共同創造空間」の創造を事例に、ファイターズとそのパートナーで、新施設が立地する北広島市とのビジネス展開から、スタジアム・アリーナを基軸とした企業家精神の発揮とイノベーションの発現の姿を明らかにすることを目的とする。本研究は、ファイターズ関係者2名、北広島市関係者2名に対する半構造化インタビューにより得られたデータを中心に論を進める。Fビレッジは国、自治体、市民などのステークホルダーがファイターズと対等のパートナーとして共に創造した「共同創造空間」であり画期的である。Fビレッジの実現で、北広島市は今まで手つかずの土地が民間事業によって開発され、新たな税収を生む場所に生まれ変わった。また、ファイターズはFビレッジでの「交流人口瞬間最大化」を目指し、交流人口、関係人口、定住人口の増加でスポーツビジネスのマーケットの拡大を図っている。Fビレッジは「ノンコア化」を具現化したハードウェアかつソフトウェアであり、野球好きに限らない様々なコミュニティを育むステージとして機能している。

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