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[12人-口-05]ブラジル発祥「フットバレー」における実践者層の拡大リオデジャネイロ市北部を事例にして

*Yoko Hosotani1 (1. Toyo university)
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ブラジル発祥の「フットバレー」は、1960年代に創出された、フットボールとビーチバレーボールが融合したビーチスポーツである。フットバレーの競技規則は、ボールタッチに関してはフットボールの規則が元となり、ゲーム運用に関してはビーチバレーボールの規則と酷似するが、実際の身体技法はフットボールとは似て非なる独自の技巧が認められる。
フットバレーの起源は、1960年代に、コパカバーナ海岸においてサッカーが警察により禁止された際、創造性を利かせて常設のビーチバレーコートにて元サッカー選手のOctávio Moraesらがプレーしたことがきっかけとされる。そのため「情熱と創造性に満ちたブラジルスポーツ」として紹介されることが少なくない。後に、競技規則が整えられ、1998年にブラジルフットバレー連盟(CBFv)がゴイアス州ゴイアニア市に設立後、初のブラジル選手権が公に開催され、市民権を得るに至った。更に2002年には国際フットバレー連盟(FIFV)が設立され、アテネにおいて第1回世界選手権開催の運びとなり、14ヶ国から18組が出場を果たした。
また、2022年には、CBFvによって貧困地域に居住している若年層向けの競技大会が全国的に開催され、社会的弱者を対象にスポーツ実践の機会が提供されており、社会的課題の解決ツールとして当該スポーツイベントが展開されている。
一方、近年のリオデジャネイロ市における動向としては、同市北部の内陸に位置する貧困地域におけるビーチスポーツ用サンドコートの増加によって、海岸地域のみならず、老若男女が生涯スポーツとして当該スポーツに興じている様子が見受けられる。
本発表では、フットバレーの特性を概観したうえで、新たな場の創出による実践者層の拡大に着目し、2023年8月の現地調査において確認された実態について報告する。

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