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[15政-口-01]スポーツにおけるドーピングの防止活動の推進に関する法律の立法過程に関する研究

*YU ZHENGHONG1, Saito Kenji1 (1. University of Tsukuba)
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スポーツにおけるドーピングの防止は、非常に重要な政策課題となっている。特に2005年にユネスコの「スポーツにおけるドーピングの防止に関する国際規約」が採択されると、日本もこれを受諾し、国内におけるドーピング防止のための法制上の措置を講じることが求められた。そして、2011年のスポーツ基本法第29条に「ドーピング防止活動の推進」が規定され、さらに2018年に「スポーツにおけるドーピングの防止活動の推進に関する法律」が制定された。本研究は、日本において初めて特別に制定されたこのドーピング防止活動推進法の立法過程を明らかにすることを研究の目的とした。研究の方法としては、立法の協議過程と国会審議過程を総合的に分析した。立法の背景としては、前述の関連法等の流れのほか、日本がWADA常任理事国であったこと、2020東京オリンピックの開催準備、2015年のWADA規程の改訂に伴い国内アンチ・ドーピング機関のインテリジェンス活動体制の構築の義務化などが挙げられる。立法の協議においては、日本スポーツ仲裁機構によるアンチ・ドーピング法制に関する国際比較研究、JSCによるアンチ・ドーピングに係るインテリジェンススキーム構築に向けた検討などがあり、特にドーピング防止活動推進法第15条(情報の共有)と関連組織の関係規定に影響を与えたことが挙げられる。国会審議過程では法案の修正や争点はないことが指摘できる。立法の内容では、スポーツ基本法、スポーツ基本計画、「スポーツにおけるドーピングの防止に関するガイドライン」など既存の制度の増分的な規定の部分もあるが、「スポーツ競技会運営団体」「国際競技大会等出場選手」など法律の対象を新たに概念規定し、法律の適用を確保しようとしていることが指摘できる。しかし、これらの概念規定に関する十分な議論が公になされていないことが立法過程の課題として指摘できる。

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