Presentation Information

[13ア-口-01]体育が好きな人の学習観の特徴とアダプテッドの考え方との違いおよびその要因

*Chiharu Hirama1, Yusuke Murakami2 (1. Juntendo University, Graduate school of Health and Sports Science, 2. Juntendo Univ.)
PDF DownloadDownload PDF
体育は楽しいものであるべきである。しかし、運動を得意とする体育教師と児童生徒は、運動の得意不得意さの違いから楽しいと思う授業が異なり、その結果、体育嫌いが増えている可能性がある。それを防ぐには、誰もが楽しめる体育のためのアダプテッドの考え方を教師が持つ必要があるが、そもそも体育の好き嫌いによる体育への考え方については分かっていないことが多い。そこで本研究では、教師と児童生徒の体育に対する考え方の違いを今後研究するために、まずは体育を好きな人に焦点を当て、体育の考え方について明らかにすることを目的とした。調査はアンケートを用いて行い、分析対象はスポーツ系大学に通う体育を好きと回答した148名とした。調査項目は、主に競技歴、運動有能感(岡沢ら,1996)の中の身体的有能さの認知、体育の学習観(小野ら,2018)、そして学習観に基づいた評価に関する項目を設定した。結果として、身体的有能さの認知が低い群と高い群に分けて分析したところ、高い群の方がすべての項目において有意に値が高かった(運動技術の習得:t(146)=3.76,p=.000;コミュニケーション能力の涵養:t(146)=3.88,p=.000;知識の修得:t(146)=2.72,p=.007;魅力の感受:t(146)=2.31,p=.022;身体能力の向上:t (146)=2.39,p=.018)。次に競技歴について、10年未満と以上の群に分けて分析したところ、10年以上の群の方が「コミュニケーション能力の涵養」の下位項目である「他者から教わる態度」の値が有意に高かった(t(146)=2.90,p=.004)。これらのことから、体育を好きな人の中でも、身体的有能さの認知や競技歴の違いから体育の学習観も変わる可能性があると示唆された。それらを踏まえ、今後教師がアダプテッドの考え方を持つために必要なことについて考察した。

Comment

To browse or post comments, you must log in.Log in