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[11教-口-02]高等学校運動部活動における指導者と生徒の人間関係構築と集団に対する指導者の適切な働きかけに関する検討
*Atsuko Yoshitake1, Takeshi Yoshinaga2, Eiichiro Hukami2 (1. Graduate School of Sport Sciences,Waseda Univ., 2. Faculty of Sport Sciences,Waseda Univ.)
文部科学省による「運動部活動での指導のガイドライン」では、運動部活動の意義の一つとして「学級や学年を離れて仲間や指導者と密接に触れ合うことにより学級内とは異なる人間関係の形成につながる」(文部科学省,2013,p.3)ことがあげられている。その他にも、運動部活動には様々な教育的意義が期待されているが、なかでも人間関係の形成を通じて高められる人間関係形成能力は、卒業後、より広い社会の一員として生きていく生徒にとって重要な能力の一つであると言えよう。しかし、この能力の育成には、生徒同士のみではなく指導者の存在も重要であり、指導者自身もそれを自覚して生徒と関わることが求められると考えられる。本研究では、指導者が生徒と適切な人間関係を構築するための要因を明らかにするとともに、集団内の生徒同士の人間関係を良好に保つために必要な指導者の関わり方について検討することを目的とした。運動部活動に所属する高校生205名(男子147名、女子58名)および運動部活動の指導を担当する教員16名(男性10名、女性6名)を対象に、Jowett & Ntoumanis(2004)によって作成された「コーチ-競技者間の人間関係質問紙」(CART-Q)を、生徒用と指導者用に一部修正した質問紙を用いてアンケート調査を実施した。また、運動部活動の指導を行っている教員の中からインタビューの許諾が得られた4名に対して半構造化インタビューを行い、アンケート調査の結果と併せて分析考察を行った。 教員に対するインタビューの結果より、生徒の実態や運動部活動の運営方法によって、生徒との関わり方を柔軟に変える必要があり、生徒の意思を尊重しながらもより良い方向へ導けるような指導が要求されていることが推察された。また、教師自身が経験してきた競技観と生徒の競技観の差や、運動部活動への動機づけについて困難さを感じていることも窺えた。
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