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[11教-口-12]攻守一体プレイタイプに対する学習者の認識に関する研究小学生を対象とした既有知識の特徴や傾向に着目して

*Hiroto Kanno1, Satoshi Suzuki2 (1. Tokyo Gakugei University Graduate School of Teacher Education, 2. Tokyo Gakugei University)
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2017年に告示された小学校学習指導要領(平成29年告示)解説体育編において、初めて攻守一体プレイタイプが例示された。しかしながら、小学校における攻守一体プレイタイプに関する実証的な研究は少なく、学術的な見地からの検討が望まれる(吉永、2015)。攻守一体プレイタイプに関する先行研究を概観すると、主に、教材及び指導プログラムの開発や技能的側面の保証、有効な指導法の検討、機能的特性の解明に関心が寄せられてきたことが確認されるものの、学習者の認識に着目した研究は管見の限りではあるが見当たらない。攻守一体プレイタイプの授業を「わかって・できる」豊かな実践としていくためには、学習者の認識に迫った研究の蓄積が重要といえる。 
 ところで、認知心理学の分野では、学習者は一定の知識を身に付けて学習に臨んでいるとされており、学習者の身に付けている知識を無視して学習は成立しないという見解が一般的である(大村、1982;今井・野島、2003)。また、学習を始める以前から持っている知識は、学習を促進したり阻害したりする要因になっていることが指摘されている(Clement、1982;Fisher, K.M.、1985;藤岡、1975;板倉、1974、1989)。ここから、攻守一体プレイタイプの授業における学習成果を知識の習得や変容といった認識的な観点から評価する場合、診断的な評価として学習者の持つ既有知識の特徴や傾向を把握しておく必要があると考えられる。
 そこで本研究では、小学生を対象として、攻守一体プレイタイプに分類されるゲームに関する知識を問う質問紙調査を行い、児童がこれまでの経験の中で身に付けてきた既有知識の特徴や傾向について検討することを目的とする。詳細については当日報告する。

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