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[11教-口-10]中学校体育授業における教師のフィードバック行動が生徒の社会的スキル獲得に及ぼす影響特に,球技領域「ゴール型(サッカー単元)」に焦点をあてて

*Ryosuke Takata1, Satoshi Otomo2, Kazuki Fujii3,1 (1. Graduate School of Sport and Health Science, Ritsumeikan Univ., 2. College of Sport and Health Science, Ritsumeikan Univ., 3. College of Department of Education, Ikuei Univ.)
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1 目的
 本研究の目的は,中学校体育授業における教師のフィードバック行動(以下,「FB」と略す)が生徒の社会的スキル獲得に及ぼす影響を明らかにすることであった.特に,球技領域「ゴール型(サッカー単元)」に焦点をあてた.

2 方法
 介入単元における教師のFBは,「チームの発達過程」(池田,2009)の枠組みを活用して設定した.具体的には,はじめに,生徒個々人が自分の所属している班について,「チームの発達過程」のどの段階にいるかを評価した.次に,生徒が評価した段階に応じて,教師が次の段階に引き上げるためのFBを,班ごとに実施した.
 調査実施時期は2024年1月から3月であった.調査対象者は,A市立中学校第2学年の生徒167名であった.調査項目は,菊池(1988)の作成した社会的スキルに関する尺度である「Kikuchi’s Scale of Social Skills:18 items」(以下,「KiSS-18」と略す)を用いた.また,調査対象単元は,介入単元(球技領域8時間:サッカー単元)及び非介入単元(ダンス領域8時間) の2つの単元であった.さらに,測定時期に関しては,①サッカー単元前,②サッカー単元中(4時間目終了後),③サッカー単元後,及び④ダンス単元後であった.

3 結果
 教師のFBが生徒の社会的スキル獲得に及ぼす影響を検討するため,独立変数を測定時期,従属変数をKiSS-18とする対応のある1要因分散分析を実施した.その結果,測定時期の主効果は有意であった(F (2.45,406.75) =10 .41,p < .001).Bonferroni 法を用いた多重比較の結果,測定時期①に比べて測定時期③及び測定時期④,並びに,測定時期②に比べて測定時期③及び測定時期④が有意に高値を示した.

4 結論
 中学校体育授業における教師のFBが生徒の社会的スキル獲得に影響を及ぼすことが明らかにされた.

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