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[02社-口-04]全日本小中学生ダンスコンクールに関する研究(5)アンケートという技法の実践
*Akiko Yoshida1 (1. NIHON Univ.)
コンクールという「優劣を競う」大会では、大会終了後、出場者らに対してさまざまな観点からの大会評価アンケートを実施するケースは少なくない。本発表の「全日本小中学生ダンスコンクール」(朝日新聞社主催、以下「本コンクール」と略す)でも出場チームの代表者に対して活動実態および指導実態の2つを調査目的としたアンケートを実施してきた。たとえば「ダンスを通して、子どもたちの成長にどのようなことを期待しますか。また、どのようなことを意識して指導されていますか」といった質問から得られた回答(自由記述)には、「社会に出ても通用する礼儀やものごとへの粘り強く取り組めるように」や「自分の身体で表現する楽しさを知り、自信がもてるようになること。チームとして活動することで、他者を思いやる心や協力する心を育むこと」といった言語群が数多く集まってくる。当然のことながら、こうした期待観や指導観は、本コンクールの意義を分析するための重要な素材である。
しかし一方で、「礼儀、粘り強さ、楽しさ、自信、思いやり、協力」といった言語群は、ダンスに限らず技芸を披露するさまざまな子ども向けコンクールにもみられる評価図式であるといってもよい。ブルデューは、実践(慣習行動)を生み出す図式の体系、すなわち後天的に形成された「知覚図式・評価図式・行為図式」の体系を「ハビトゥス」と呼んで概念化した。本コンクールの評価図式を「ハビトゥス」として読み解くのであれば、本コンクールの主催者と出場者らとの間で交わされるアンケートという技法から構築される関係性に着目することが必要であろう。たとえばエントリー時からコンクール終了後までには作品コンセプトや演出、楽曲などについて回答を求めるアンケートが実施される。本発表では主催者と出場者との間でかわされるアンケートという技法の実践からダンスコンクールという社会空間の特徴と意義を明らかにしてみたい。
しかし一方で、「礼儀、粘り強さ、楽しさ、自信、思いやり、協力」といった言語群は、ダンスに限らず技芸を披露するさまざまな子ども向けコンクールにもみられる評価図式であるといってもよい。ブルデューは、実践(慣習行動)を生み出す図式の体系、すなわち後天的に形成された「知覚図式・評価図式・行為図式」の体系を「ハビトゥス」と呼んで概念化した。本コンクールの評価図式を「ハビトゥス」として読み解くのであれば、本コンクールの主催者と出場者らとの間で交わされるアンケートという技法から構築される関係性に着目することが必要であろう。たとえばエントリー時からコンクール終了後までには作品コンセプトや演出、楽曲などについて回答を求めるアンケートが実施される。本発表では主催者と出場者との間でかわされるアンケートという技法の実践からダンスコンクールという社会空間の特徴と意義を明らかにしてみたい。
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