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[02社-口-15]混住化社会におけるローカルスポーツの創出と農地管理
*daishi Sugawara1 (1. Niigata University of Health and Welfare)
食や環境の安全性・安定性という観点に立つとき、今日の農山村における空間的荒廃は、当該地域だけでなく日本全体の問題であることに気づく。こうした事実は日本の食料生産や土地管理のあり方に対し、再考を促しているといえよう。 本報告は上記の問題意識を念頭に置きながら、宮城県大崎市小泉地区における「泥んこバレー」の取り組みを事例として、スポーツと農地管理という一見すると接点のない活動が接合する論理を明らかにする。混住化が進み、農地の宅地転用や耕作放棄が進む当該地域においては、年に1回、田圃においてソフトバレーを行う「泥んこバレー」の取り組みを契機に、私有地である農地を地域住民が共同で、1年を通して管理するようになった。年に1回のスポーツイベントであるにもかかわらず、なぜ1年を通して、土地所有者ではない人びとが農地を管理するのだろうか。これは、「自然資源の共同管理制度、及び共同管理の対象である資源そのもの」(井上,2004)としてのコモンズが生成していった事例のように映る。本報告はコモンズの議論を参照しつつ、「泥んこバレー」という種目がなぜこうした活動を生むことを可能にしたのか、その文脈を追うことで、スポーツと農地管理との関わりを論じたい。
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