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[02社-口-22]体育授業の相互行為分析席順のない体育授業はいかにして達成されるか

*Kotaro Nishimura1, Tadashi Watari1 (1. Juntendo University)
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本報告では、小学校における体育授業に固有な相互行為を描き、体育授業がいかにして達成されているのかを検討することを目的とする。体育授業においての相互行為分析はこれまで行われておらず、体育指導場面についての社会学的検討はほとんどなされていないのが現状である。これまでの体育授業研究では、主に体育科教育法で行われる、授業評価方法によって研究がなされてきた。これらの研究では、体育授業を「マネジメント」「学習時間」「認知学習」「運動学習」に区分し、時間や頻度を記録、集計する。マネジメントの時間や移動の時間などは、いわば無駄な時間であり、これらの時間をいかに少なくするかに焦点が当てられる。しかし、体育授業は、教師と生徒の相互行為からなるものであり、一律にこれらの区分で記録、集計するだけでは見きれないものがある。教師と生徒との相互行為からなる体育授業を、鮮明に書き出すことによって、初めてこれらの体育授業研究システムは意味あるものとなる。 今回の調査では、小学校2年生と6年生のクラスの1単元分の体育授業をビデオ撮影し、相互行為分析を行なった。なお調査にあたっては、順天堂大学スポーツ健康科学倫理委員会の承認を得た上で実施した。 体育の授業では他の授業と違い、席順がない。体育教師として、生徒からの注目を集め、授業を成立させる技術が求められる。体育の授業では主導権は教師にあり、それに導かれるように授業は進行する。しかし、ここであるはずの教師からの反応がない場合、それは生徒にとって、うまく授業が進行していない合図である。今回の分析では、このようなトラブルを体育教師自らが演出することで、生徒からの注目を集めるような姿を確認することができた。ここで述べたような、確実に見えているにもかかわらず、言及されることのない、教師と生徒との相互行為を描き出すことは、これからの体育授業研究において重要な視点となりうる。

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