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[09方-ポ-55]大学男子ハンドボール選手の競技中の無駄な動きに関する研究
*Masafumi Yoshimura1, Nobuyoshi Hirotsu1, Yuki Masui1, Takayuki Miyamori2 (1. Graduate School of Health and Sports Science,Juntendo University, 2. Department of Physical Therapy, Faculty of Health Science, Juntendo University)
大学男子ハンドボール選手45名を研究対象者とし、上位群、中位群、下位群の3チームで公式戦同様のレギュレーションで試合を実施した。実施に際しては、衛星インフラストラクチャーである「ClearSky」を導入し、屋内においてもGPS機能が使用できる環境を整えた。単位時間あたりの移動距離、12km/h以上での走行距離、高強度の加減速、方向転換の頻度について、いずれかの指標において下位群の方が上位群より有意に高い傾向が認められたことを昨年本学会において報告した。本年度は、その下位群の傾向は試合中のどの局面で起こっているのかについて映像データと同期させ、攻撃局面と守備局面ごとに分析を行い検討した。その結果、下位群の守備局面における高強度の加減速、方向転換において、上位群より有意に高い傾向が確認された。また、守備局面における12km/h以上での走行距離においても、下位群が上位群より有意に高い差が確認された。この12km/h以上での走行距離についての現象は、特に相手コートでの攻撃を阻止されたり、自らのパスミス等でボールを奪われたり、シュートミスが発生し攻撃から守備に転じ、帰陣するリアクションとして多く計測されていたことが確認できた。ハンドボールのように狭いコート内での攻防が激しい種目では、移動距離の長さや、高強度の加減速、方向転換の頻度の多さが勝敗に直結するとは限らない。むしろ、適切な状況でそれらの動きを発揮することが勝敗に大きな影響を与えると考えられる。そのため、ウェラブルデバイスで計測された指標がいつ、どのような状況で計測されたのかを、映像データを合わせて分析することは、競技力向上を目指す上で、競技力の異なる競技者の動きの差異を明らかにすることができ、競技力が低い競技者の「無駄」な動きを明らかにする可能性があることからも本研究は有用な知見であると考えられる。
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