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[05バ-ポ-04]野球投手のトラッキングデータを用いた異なる投球条件におけるストレートの評価

*Kazuya Yamazaki1, Hikaru Ishino1, Gaisei Tanabe1, Kazuto Hatashima1, Shigeharu Tanaka1 (1. kokushikan Univ.)
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これまで野球投手の能力は、ボールの球速やコントロールによって評価されてきた。近年では多種多様な変化球が投じられており、球速やコントロールだけでなく、持ち球の球質(回転数、回転軸、変化量、等)などが弾道測定分析機器によって評価されている。野球の投球能力に関する研究では、投球フォームのバイオメカニクス的分析に加え、弾道測定分析機器を用いたトラッキングデータによって総合的に評価されている。しかしながらそれらの多くが、ストレートを多数投じた際の評価であり、実際の試合のようにストレートだけでなく変化球も含めた投球については検討されていない。そこで本研究では、弾道測定分析機器を用いて、ストレートのみと、ストレートと変化球を交互に投じた際のストレートの球質を評価することで、より実践に即したデータを収集し、投手の競技力向上に役立てる情報を取得することを目的とした。被験者は大学生準硬式野球部の投手とした。被験者には最大努力によるストレートを10球投じさせる試技(FB)と、ストレートと変化球(CB)を交互(F-CB)に10球投じる試技を行わせた。両試技については、弾道測定分析機器ラプソードを使用し、球速、回転数、回転効率、変化量を測定した。得られたトラッキングデータから両試技ともにストレートのみを抽出し、分析の対象とした。各測定項目については、平均値及び標準偏差を求め、データのばらつきを評価するために変動係数を算出した。球速の変動係数は、FBに対してF-CBが高い値を示す傾向が確認された。また、回転数、回転効率及び総回転数の変動係数は、F-CBの方がFBよりも高い値を示した。さらに、横、縦方向への変化量の変動係数も、F-CBの方がFBよりも高くなる傾向を示した。よって、ストレートを連続的に投じるよりも変化球を交えた投球では、ストレートの回転数や変化量などのばらつきが大きくなる傾向が確認された。

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