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[05バ-ポ-05]野球の投球動作における個人内変動と鉛直投球位置の関係手部の動きに着目して
*Makoto Suto1, Yuta Yamaguchi2, Tetsunari Nishiyama2 (1. Graduate school of Nippon Sport Science University, 2. Nippon Sport Science University)
【背景】投手のコントロールを示す投球位置は、リアルタイムで目視できるパフォーマンス要素であり、細かな修正が要求される一方、投球位置に焦点を当てた運動学的研究は、球速を対象とした研究に比較してかなり少ない。【目的】直球全力投球中の投球動作を分析し、手部の運動学的データの個人内変動が投球位置に及ぼす影響を探ること。【方法】12名の大学硬式野球投手を対象に、10-15球の直球全力投球を分析した。投球動作は、3次元動作解析システム(Arqus 5、Qualisys社)を用いて500Hzで撮影し、全身の運動学的データを算出した。球速は、スピードガン(Stalker Sports 2、Applied Concepts社)で収集し、鉛直投球位置は、カメラ2台(FDR-AX700、SONY社)で撮影したボールのビデオデータからホームベース前縁通過時の鉛直軸上のボールの座標値として算出した。個人において、手部(中手)・手関節パラメータと投球位置の関係をPearson積率相関係数を用いて分析した。【結果】得られた全153球の球速は133.9±3.8km/hであった。また、鉛直投球位置は96.7±26.0㎝であり、個人の標準偏差は16.1cm-35.4㎝の幅を示した。個人のリリース時における手部の矢状面内の位置の標準偏差は、投球方向に1.46cm-2.51cm、鉛直方向に0.89cm-2.61cmの幅を示しており、リリース時の手部の高さと鉛直投球位置に有意な相関関係を示した選手は3名(正:1名、負:2名)であった。また、鉛直投球位置と手関節屈曲角度、角速度においても有意な相関関係を示した選手は1名(負)、4名(正:2名、負:2名)であった。本研究のデータは、一部の選手においてリリース時における手部の動きの微細な変動が鉛直投球位置に影響する可能性を示唆する。
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