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[05バ-ポ-15]発育発達に伴うランニングにおける時空間的変数の変曲点
*Yuta Goto1, Gaku Kakehata1, Shigeo Iso1 (1. Faculty of Sport Sciences, Waseda University)
【背景】走速度(m/s)は空間的成分であるステップ長(1歩の長さ, m)と時間的成分のケイデンス(単位時間当たりの歩数, steps/s)の積によって決定される。これらの時空間的変数は走速度の変化に伴って相対的な貢献度が変化する事が報告されている。低速度域ではケイデンスはほとんど増加せず、ステップ長の増加によって走速度が増加する。一方、高速度域になるにつれて、ステップ長の増加よりもケイデンスの増加によって走速度が増加していく。このような走速度の変化に伴う時空間的変数の相対的貢献度は、ある変曲点で切り替わることが示唆されている(Goto et al., 2021)。しかし、このような特性は成人を対象に報告されているものであり発育発達のどの段階で見られるかは不明である。【目的】発育発達に伴う時空間的変数の変曲点が現れる発育発達段階を明らかにする。【方法】被験者は1歳から12歳の幼児・児童48名とした。被験者は全天候型陸上競技場で直線10m間を様々な走速度で15本程度走行した。また、1~2歳児は測定区間を4mとした。走速度は可能な限り遅い速度から最高速度まで種々の速度で走り、横方向からビデオカメラで撮影した動画から走速度(m/s)、ケイデンス(step/s)、ステップ長(m)を算出した。変曲点はセグメント回帰法を用いて算出し、変曲点の有無は主成分回帰との残差平方和の差分から決定した。【結果】1歳児(生後22ヶ月)~5歳児まではステップ長の変化がほとんど見られず、走速度はケイデンスによって変化していた。しかし、6歳児頃から変曲点が観察され始め、12歳児ではすべての被験者で変曲点が観察された。【結論】特定の発育発達段階(6歳頃)からランニングにおける時空間的変数の変曲点が発現し始める可能性が示された。
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