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[05バ-ポ-19]体操競技における「つり」技術の解明

*Kaio Fukuchi1, Takashi Uemura2, Keita Ogawara2 (1. Tokai University Graduate School of Physical Education, 2. Tokai University School of Physical Education)
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「つり」とは、体操特有の身体技法表現の一つであり、背中を丸くして、胸をへこますようにする運動で腕立て支持で体を支える動きである(1956,金子)。「つり」技術は、体操競技において多くの種目や技に使われる技術である。しかし、主動筋や技術の解明の研究は見当たらない。また第三者的視点の表現であり、選手に伝わりづらく、習得までに時間がかかり悩んでいる選手もいる。そこで本研究ではバイオメカニクス的手法を用いて体操競技における「つり」技術の解明や「つり」技術での主動筋を明らかにすることを目的とした。被験者は、体操競技の大会に出場経験がある者で、伸肘倒立を安全に行うことができる者とした。被験者には、体表にSIMMモデルで反射マーカを貼付し、映像データは光学式三次元モーションキャプチャシステム(Mac3DSystem ,Motion Analysis社)を用いて試技を記録し、動作解析システム(Frame-DIAS6, Q’sfix社製)を用い身体合成重心、肩関節角度や腰関節角度、各関節角速度等を算出した。また筋電図を導出するため無線筋電図センサ(Trigno, DELSYS 社製) を大胸筋、腹直筋、前鋸筋、棘下筋、脊柱起立筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋に貼付した。筋電図データは BIMTAS-Video (KISSEICOMTECH 社製)を用い、各試技の%MVCを求めた。実験課題は、平行棒上にて「つり」技術を主に用いる脚前挙から閉脚伸肘倒立、支持から閉脚伸肘倒立、床上にて正面支持臥から閉脚伸肘倒立の3つを行わせた。3つの実験課題での身体合成重心や各関節角度を用いて「つり」技術の局面定義の検討を行った。今回の研究においての「つり」局面では前鋸筋、棘下筋、上腕二頭筋の活動電位に大きな波形が見られ、%MVCも高い値を示した。このことから、「つり」技術の主動筋は前鋸筋、棘下筋、上腕二頭筋の3筋であると示唆された。

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