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[05バ-ポ-20]徒手体操における回旋運動の運動学的研究熟練者と非熟練者の比較

*Taishiro Sakaguchi1, Ryota Kishi2, Makoto Suto1, Tetsunari Nishiyama2 (1. Graduate school of Nippon Sport Science University, 2. Nippon Sport Science University)
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<緒言>徒手体操は、身体各部の動きや協調性を改善する目的で、学校や地域でも実施され、様々な身体活動やスポーツ活動の準備や補強運動として行われている。指導現場においては、指導者の経験や感覚をもとに指導が行われることが多いとされ、客観的な知見を取り入れる必要性も述べられている。<目的>本研究の目的は、徒手体操における回旋運動を対象に熟練者と非熟練者の違いを明らかにし、指導現場に活用できる知見を得ることである。<方法>被験者は熟練者(体操部所属の男子大学生)9名と非熟練者(体操未経験者)8名であった。対象試技は下肢の屈伸運動を含む上肢の回旋運動の反復動作とした。運動リズムはメトロノームを使って60bpmに統一した。三次元動作解析システム(VICON MX40、Vicon社)を用いて200Hzで撮影し、全身の運動学的データを算出した。算出パラメータは重心高、膝関節角度、前額面上の上肢の回旋角度、回旋角速度とし、熟練者と非熟練者の差の検定には独立サンプルのt検定を用いた。<結果および考察>全被験者は直立姿勢から肩関節を約120°外転させた位置から上肢を内側に一回転回旋させる間に一回の下肢屈伸運動を行った。熟練者は上肢回旋開始時に上肢の回旋より屈伸運動が先行し、非熟練者は屈伸運動の開始とほぼ同時に上肢回旋を開始させた。重心最下点時の上肢の回旋角度は熟練者に比して非熟練者が有意に大きかった(145.2±30.8°VS 213.5±43.6°、P=0.002)。上肢回旋のピーク角速度の出現タイミングをみると、非熟練者は屈伸運動による重心最下点以前の下降局面後期に出現し、熟練者では重心最下点後の上昇局面前期で出現した。本研究結果は非熟練者の指導において有用な情報を含んでいると考えられた。

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