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[13ア-ポ-01]肢体不自由児者の上肢機能と眼球運動の関連簡易的な上肢機能検査の活用と評価

*Takaaki Matsuura1 (1. Kokushikan University)
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肢体不自由児者は四肢の痙性麻痺や不随意運動、震せん等の運動機能障害を有するために上肢の運動に困難さを有することが多い。しかし、上肢の運動機能障害が軽度であっても、球技におけるボールハンドリングなどの困難さを有するケースが認められる。これらのケースは視機能の課題や目と手の協応動作の課題が要因と考えられる。
本研究はボール運動などに困難さを有する肢体不自由児者を対象として、上肢機能の簡易的な評価法であるBox and Block Test(BBT)と簡易上肢機能検査(STEF)を実施して、上肢の運動機能を評価するとともに各検査中の眼球運動を計測し、上肢の運動と眼球運動との関連を明らかにすることを目的とした。実験対象者は脳性麻痺のある成人男性2名と比較対照として障害のない成人男性2名であった。
脳性麻痺のある成人は、障害のない成人に比して各検査において作業時間の延長がみられた。また、障害のない成人は利き手と非利き手の作業時間はほぼ同様であったが、脳性麻痺のある成人は上肢の痙性麻痺の左右差により作業時間の左右差が顕著であった。作業中の眼球運動検査の結果は、脳性麻痺のある成人は上肢で操作するボール等に複数回視線を向け注視する時間が長い傾向が認められたが、障害のない成人はボールに1度短い時間視線を向けるだけで操作する特徴がみられた。これらの結果から、上肢に運動機能障害が有する脳性麻痺のある成人と障害のない成人では、上肢操作における眼球運動に異なる特徴があることが推察された。

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