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[13ア-ポ-07]インクルーシブ体育における健常児童と障害のある児童との運動遊び中の運動強度比較
*Shintaro Kumagai1, Kosho Kasuga2 (1. Gifu shotokugakuen Univ., 2. Gifu Univ.)
<目的>障害のない児童(以下、健常児)と障害のある児童(以下、要支援児)が同じ場で体育を行うインクルーシブ体育において、「運動遊び」を実施した際の両者の運動強度の差および要支援児の障害種別による運動強度の差をについて検討することを目的とした。<方法>公立の小学校5校に通う児童計382名(健常児353名、要支援児29名)を対象とした。各学校で45分の運動遊びの授業を行い、授業中の10秒ごとの運動強度(以下、METs)を測定した。ビデオカメラで記録した映像から抽出した、「運動学習場面」における健常児群と要支援児群それぞれの平均METsおよび中高強度身体活動時間の割合(以下、%MVPA)を算出し、両群間の平均値の差を検討した。さらに、同パラメータについて要支援児を障害種別に知的障害児群、情緒障害児群、その他の障害児群(言語障害、LDおよびADHD)に分類し、3群間の差について検討した。<結果と考察>運動学習場面中のMETsの平均値および%MVPAの平均値ともに、健常児群と要支援児群との間に有意な差は認められなかった。さらに、両群ともMETsの平均値が3.0METs以上であったことから、インクルーシブ体育に動遊びを取り入れることの有効性が示唆された。他方、障害種別の3群間において、METsの平均値には差が認められなかったが、%MVPAの平均値はその他の障害児童群に対して知的障害児群が有意に低かった。知的障害はその障害特性により、指導者の指示やルールの理解が困難であった可能性がある。そのような児童に対して、事前に個別に指導をしたり、指導者が運動中に個別に介入したりして理解を助ける必要があると考えられる。また、身体活動量確保の観点では、より単純なルールや動きを用いた「運動遊び」を追加で実施することも検討する必要があろう。
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