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[13ア-ポ-10]ロービジョン者の空隙またぎ動作時の下肢動態
*Tadashi Uno1, Tetsuya Kita2 (1. Sanyo-Onoda City University , 2. National Institute of Technology, Tokuyama College)
加齢黄斑変性や糖尿病網膜症、白内障などを原因とする視覚障害が増加傾向にある。視覚障害は奥行き知覚や空間認識能力の低下を引き起こし、移動時の転倒・転落リスクを高める。本研究では、視覚障害が空隙またぎ動作に与える影響を運動学的および主観的指標から検証した。
視覚機能が正常な健常者12名とロービジョン者12名を被験者とした。実験条件は10cmの空隙を有する3種類の高さ(0cm、+15cm、-15cm)のプラットフォーム間における空隙またぎ動作とした。動作開始のタイミングは被験者の任意とし、3次元動作解析システムにより運動学データを計測した。また、主観評価として状態特性不安検査を実施し、「気が動転している」、「おびえている」、「神経過敏になっている」、「イライラしている」、「まごついている」の5項目から状態不安レベルを算出した。運動学的指標として、D1:Leading Foot(LF)のToes Off(TO)から台の縁までの距離、D2:LF のつま先の最高到達点から乗っている台までの距離、D3:Toes Off から Toes Contact(TC)までの距離、Time:TO から TC までに要した時間を算出した。
その結果、0cm条件ではD1、D2ともにロービジョン者が健常者と比して有意に低値を示した。+15cm条件および-15cm条件では、D1がロービジョン者において有意に低値を示した。また、主観評価では-15cm条件のみロービジョン者の状態不安が有意に高値を示した。以上より、ロービジョン者は視覚情報が制限されるため、空隙またぎ時の遊脚動作が小さくなり、より安全側に制御されていることが示唆された。また、被験者としたロービジョン者の大半が部分視野を有していたことから、保有視野を活用して空隙位置を確認し、慎重に遊脚を進めていたと推察される。
視覚機能が正常な健常者12名とロービジョン者12名を被験者とした。実験条件は10cmの空隙を有する3種類の高さ(0cm、+15cm、-15cm)のプラットフォーム間における空隙またぎ動作とした。動作開始のタイミングは被験者の任意とし、3次元動作解析システムにより運動学データを計測した。また、主観評価として状態特性不安検査を実施し、「気が動転している」、「おびえている」、「神経過敏になっている」、「イライラしている」、「まごついている」の5項目から状態不安レベルを算出した。運動学的指標として、D1:Leading Foot(LF)のToes Off(TO)から台の縁までの距離、D2:LF のつま先の最高到達点から乗っている台までの距離、D3:Toes Off から Toes Contact(TC)までの距離、Time:TO から TC までに要した時間を算出した。
その結果、0cm条件ではD1、D2ともにロービジョン者が健常者と比して有意に低値を示した。+15cm条件および-15cm条件では、D1がロービジョン者において有意に低値を示した。また、主観評価では-15cm条件のみロービジョン者の状態不安が有意に高値を示した。以上より、ロービジョン者は視覚情報が制限されるため、空隙またぎ時の遊脚動作が小さくなり、より安全側に制御されていることが示唆された。また、被験者としたロービジョン者の大半が部分視野を有していたことから、保有視野を活用して空隙位置を確認し、慎重に遊脚を進めていたと推察される。
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