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[07発-ポ-06]児童の体力・運動能力はどのくらい持ち越すか?小学校6年間の追跡調査による検討

*Kohei Nagano1, Shintaro Kikuchi2, Toshiaki Shinohara3 (1. Hijiyama Junior College, 2. Kikuchi clinic, 3. Kyoei University)
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【背景】わが国では1964年より体力・運動能力調査を継続的に実施しているが、その多くは横断研究、または連続横断研究であり、長期にわたる個人内の変容を捉えた研究は少ない。このような研究は「持ち越し効果」や「トラッキング」と呼称される。この体力・運動能力のトラッキングに関する研究は、子どもの頃の体力・運動能力が、成人期以降の健康状態に影響する可能性があることからも重要であり、研究の蓄積が求められる。【目的】小学校6年間の体力・運動能力の持ち越し(トラッキング)の程度を確認すること。【方法】福島県内の1都市の全小学校を対象に悉皆調査として実施された新体力テストの参加者で、調査初年度に1年生であった児童2,780名(男子:1,481名、女子:1,299名)のうち、6年間連続してデータに欠損のなかった2,157名(男子:1,158名,女子:999名)を解析対象とした。新体力テストの各項目、及び体力合計点について、小1から小6と各学年間の関連をPearsonの積率相関係数を性別に算出した。【結果】小1と小6の相関係数は,体力合計点は中程度(男子:0.605、女子:0.612)であった。項目別にみると中程度の相関がみられた項目は、握力・上体起こし・20mシャトルラン・50m走・立ち幅跳び・ソフトボール投げであった。また低い相関がみられた項目は、長座体前屈・反復横跳びであった。また、全項目共通して、追跡期間が短いほど持ち越しの程度は高くなり、追跡開始時期が遅くなるほど持ち越しの程度が高くなる傾向がみられた。【結論】小学校6年間の体力・運動能力の持ち越しの程度を検討した結果、小1と小6の体力・運動能力には中程度の関連がみられた。

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