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[08測-ポ-04]幼児期における腸内細菌叢の経年変化
*Kazuo Oguri1 (1. Gifu Shotoku Gakuen university)
腸内細菌叢は、その組成によって代謝産物が変化し、宿主の免疫機能に影響を与え、がんや肥満、アレルギー、皮膚疾患などにつながる。この組成の変動因子は、食事・運動・睡眠などの生活習慣、ストレス、加齢が報告されており、健全な腸内環境を維持するためには、これらの因子の影響を理解する必要がある。加齢因子については、腸内は胎内の無菌状態から出生後に細菌が増殖し、3~5歳で成人と同様の状態になるものと考えられている。しかし、小児期における腸内細菌叢の経年変化は、日本人小児を縦断的に検討して得られた知見は極めて少ない。そこで、本研究では、幼児を対象に腸内細菌叢の組成を2年間分析し、その経年変化を検討することを目的とした。幼児43名を対象に年少(3歳)の12月と年中(4歳)の12月に体格、体力、腸内細菌叢の測定を行った。身長と体重を測定し、性別・身長別の標準体重から肥満度を算出した。運動習慣のアンケート調査、25m走、立ち幅跳び、ソフトボール投げの体力測定を行った。糞便を採便容器にて収集し、細菌16S rRNAを標的とした定量的RT-PCR法による次世代シーケンサーを用いたメタゲノム解析を株式会社サイキンソーに委託した。そして、保有菌の種類数、多様性指標、ファーミキューテス門・バクテロイデス門・アクチノバクテリア門・プロテオバクテリア門の比率、ビフィズス菌、乳酸産生菌、酪酸産生菌を検出した。分析の結果、保有菌の種類数や多様性指標、門レベルの組成、属レベルの各菌は、年少から年中の間に有意な変化は認められなかった。年少と年中の間で保有菌の種類数や多様性指標、門レベルの組成は有意で強い相関関係が認められたが、ビフィズス菌と乳酸産生菌では有意な相関関係が認められなかった。したがって、幼児期の腸内細菌叢は、門レベルでは経年的に大きく変化しない一方、属レベルでは変化がみられることが示唆された。
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