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[08測-ポ-29]多方向への踏み出しからのドロップジャンプによる球技種目の特性評価
*Atsushi Itaya1, Shu Ishiwaka2, Soushirou Ueno3 (1. Hokkaido Univ. of Education, 2. Kuromatsunai Elementary School, 3. Graduate School of Comprehensive human sciences, Univ. of Tsukuba)
球技の競技場面で実施される跳躍の多くは,種目特異的な様々な方向への助走やステップを伴う.そこで本研究は,球技競技者の跳躍における助走やステップの方向に対する依存性を検討した.ハンドボール,バスケットボール,バドミントン,およびバレーボール競技者計32名を対象とした.対象者は高さ30 cmの台を用いて通常のドロップジャンプ (DJ) と4方向 (前F,後B,利き側D,非利き側ND) への踏み出しからのDJ (4方向DJ) を行った.4方向DJの踏切位置は,フォースプレート中央からの水平距離が対象者の脚長になるよう設定した (ただし,安全上の理由から後方のみ脚長の半分) .跳躍高,接地時間,およびDJ指数を床反力データから算出した.ネット型とゴール型球技間の跳躍の違いを検討するため,各項目について2球技型×5方向 (DJ,F,B,D,ND) による反復測定分散分析を実行した.DJ指数に球技型と方向の交互作用に有意性が認められた (p = .049) .多重比較検定は,ネット型でF>ND (p = .004) ,ゴール型でF>D (p = .044) となる対照的な結果を示した.これらの結果は,ネット型では利き側,ゴール型では非利き側の踏み出しからの跳躍において,それぞれの反対側よりも伸張短縮サイクル (SSC) を効果的に活用できたことを示唆する.ゴール型球技ではD側にディフェンダーのプレッシャーがかかることが多く,それを回避するためにND側にステップしてからジャンプする動きが多用される.このことが,ND側のSSC利用効率を高めたと推測される.一方,ネット型球技では,跳躍とその準備を対戦相手に邪魔されることがない.このため,利き腕を強く振れる利き側へのステップから最大跳躍を引き出せるように適応した可能性がある.
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