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[08測-ポ-32]下肢筋の力-速度特性と活動後パフォーマンス向上の関係

*Yuta Suzuki1, Naoyoshi Matsuda1, Marina Furuchi1, Masaki O Abe2, Takahiro Yunoki2 (1. Graduate School of Education, Hokkaido University, 2. Faculty of Education, Hokkaido University)
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【目的】高強度筋収縮活動(conditioning activity:CA)は、その数分後に最大随意筋出力の一過性の増加、いわゆる活動後パフォーマンス向上(PAPE)を誘発し、瞬発的運動のパフォーマンスを高めることが知られている。しかしながら、CA後にPAPEが認められていない報告もあり、PAPEの誘発には個人差が存在する可能性が推測される。瞬発的パワーは力と速度の積によって決定されることから、下肢筋の力-速度特性とPAPEの関係について検討することを本研究の目的とした。【方法】被験者は、2年以上のレジスタンストレーニング歴を有する8名の男子学生であった。本研究は二つのセッションで構成された。最初のセッションにおいて、各被験者は、CA(最大随意収縮力の90%での等尺性膝伸展:左右10秒×3回)の前(3回)および後(直後から14分後まで計8回)にカウンタームーブメントジャンプ(CMJ)を行った。CMJ中の床反力垂直成分(Fz)からCMJ跳躍高を算出した。PAPEの大きさは、CA後におけるCMJ跳躍高の最高値をCA前におけるそれ(=ベースライン値)で標準化することで評価した。別日のもう一つのセッションでは、下肢筋の力-速度特性を評価するため、各被験者は5つの負荷(0〜70kg)で各3回のCMJを行った。そこで測定されたFzから力-速度プロフィール、すなわち力-速度関係直線の傾き(Sfv:負の傾きが大きいほど“力優位”を意味する)を算出した。【結果】CA後におけるCMJ跳躍高の最高値はベースライン値に比べて有意に高い値となった。また、PAPEの大きさは、Sfvとの間に有意な相関関係を示した。【結論】CAによって誘発されるPAPEの大きさには下肢筋の力-速度特性が影響しており、力優位な力-速度プロフィールを示す者ほど、CA後のCMJパフォーマンスが向上しやすい可能性が示唆された。

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