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[08測-ポ-34]大学女子柔道選手における身体組成の特徴と各種パワー発揮能力
*Renta Ohki1, Takaya Chikamatu1, Kazuto Hatashima1, Shigeharu Tanaka1 (1. Graduate School of Sport System, Kokushikan University)
柔道は男女ともに7つの階級に分類されることから、対戦相手の体格はほぼ同程度である。従って、既定の体重内で体脂肪量を抑制し、筋量を増加させ、筋力やパワー発揮能力を高めることが競技力向上において重要である。しかしながら、同程度の体重であっても筋量や脂肪量には個人差が存在し、それらがパワー発揮能力にも影響を及ぼすものと予想される。本研究では、女子柔道選手の身体組成の特徴を捉え、それらが上肢、下肢、全身のパワー発揮能力にどのような影響を及ぼすのかについて検討することを目的とした。被験者は大学柔道部に所属する女子柔道選手とした。被験者の体重、体脂肪率、全身、上肢、体幹および下肢の筋量は、身体組成測定装置を用いて計測した。また、体重に対する各部位の筋量の割合を算出した。全被験者を対象として、体重と全身筋量の間に有意な正の相関関係が成り立つことを確認し、両項目間の関係性を示す回帰直線を基に、体重に対して全身筋量が多い被験者をHG、体重に対して全身筋量が少ない被験者をLGとして群分けした。全身、上肢および下肢のパワー発揮能力の指標として、ハイプル、ベンチプレス、スクワットの最大パワーを測定した。その結果、体重、全身および各部位の筋量は有意な群間差が認められなかったが、体脂肪率についてはLGがHGよりも有意に高い値を示した。また、体重に対する上肢および下肢筋量の割合は同程度であったにもかかわらず、体幹筋量の割合はHGがLGよりも有意に高い値を示した。これらの結果から、同程度の体重であっても身体組成が異なることが確認された。ハイプル、ベンチプレスおよびスクワットにおける最大パワー値の関係についてそれぞれ検討したところ、必ずしも各種最大パワー値間に有意な相関関係は認められなかった。この結果は、体重に占める各部位の筋量といった身体組成の特徴が影響した可能性が示唆された。
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