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[03心-ポ-11]類推的教示による注意の焦点化が学習初期段階の運動パフォーマンスに及ぼす影響

*Goki Iwahori1, Yuya Hiromitsu2, Tadao Ishikura2 (1. Doshisha University Graduate School of Health and Sports Science, 2. Doshisha University Faculty of Health and Sports Science)
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言語教示の一種である類推的教示は明示的教示に比べ、パフォーマンスに有効とされている。一方、注意焦点化では内的焦点より外的焦点がパフォーマンスに有効とされ、注意焦点化を考慮すると有効とされる類推的教示であっても、言葉による学習者の注意によってパフォーマンスに与える影響が異なると考えられる。そこで、本研究では内的と外的焦点の類推的教示が、学習初期段階の運動パフォーマンスに及ぼす影響について明らかにすることを目的とした。被験者は、課題に未経験な大学生30名(男性25名、女性5名、右利き27名、左利き3名)とした。実験開始時に、被験者のイメージ想起能力の評価するためのMIQ-RS(日本版)の回答を求めた。本実験では、的の中心を狙う非利き手によるダーツ投げを課題とした。実験の流れは、最大6回の練習を行ったのち、初めに教示なし条件[NI条件]を12試行行った。その後、内的焦点条件と外的焦点条件の各12試行の試技を、条件単位で被験者ごとにランダムな順序で実施した。また、各条件の試技について、主観的な運動感覚に関するVAS評価(腕の動きの速さ感:「素早い」―「ゆっくり」、腕の動きの力感:「激しい」-「優しい」、リリースの力感:「強い」-「弱い」)の回答を求めた。全ての試技終了後、2つの教示条件の試技について内省の記述を求めた。的の中心からダーツ着地点の絶対誤差と変動誤差、VAS評価得点について一元配置反復測定分散分析を行った結果、有意差は認められなかった。また、教示の影響を比較するため、上記の変数をNI条件と教示条件の差分を算出し、対応のあるt検定を行った結果、有意差は認められなかった。これらの結果から本実験の目的は明らかにならなかった。その理由として、本実験では、外的焦点条件の内省に内的に焦点づけられた記述が多くみられ、教示通りに注意を焦点づけられなかった問題性があると考えられた。

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