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[03心-ポ-10]異なるSOAにおける先行刺激の連続呈示が空間的注意に与える影響空手場面を想定した先行手がかり課題による検討

*Takamasa Sakabe1, Hideaki Takai1 (1. Nippon Sport Science University)
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我々の注意は、他者の行為による影響を受けやすく、無意識的に注意を誘導されることがある。坂部(2022)は、空手場面を想定した先行手がかり課題で、刺激間間隔(SOA)の短い条件では不一致試行の反応時間が遅延することを報告し、フェイントの有効性について示唆している。対人競技において、相手の注意をいかに誘導できるかは重要な要素であることから、先行刺激を連続呈示することで、より強い注意の誘導が可能になるものと考えられる。そこで本研究では、異なるSOAにおける先行刺激の連続呈示が空間的注意に与える影響について検討した。実験参加者は、A大学空手道部に所属する11名であった。先行刺激には、注意を上か下へ誘導する画像、反応刺激には上段突きと中段突きの画像を用いた。画像は、第1先行刺激⇒第2先行刺激⇒反応刺激の順に呈示され、先行刺激では同じ画像が連続呈示された。SOAは、100 ms、300 ms、500 msの3条件とした。注意の誘導方向と突き技の位置が一致しているものを一致試行、一致していないものを不一致試行とした。実験参加者は、反応刺激が上段突きであれば下のボタン、中段突きであれば上のボタンを押すことが求められた。反応時間について、SOA×一致性の2要因分散分析を行ったところ、一致性の主効果がみられ、不一致試行における反応時間は一致試行よりも有意に短いことが示された。正答率についても一致性の主効果がみられ、不一致試行における正答率が一致試行よりも有意に高値を示した。先行手がかり課題では、SOAが300 ms以上の場合に復帰抑制が生じるとされているが(Posner and Cohen, 1984)、本研究ではSOAの違いによる特徴はみられなかった。一方で、不一致試行においては反応時間の短縮や正答率の向上がみられたことから、先行刺激を連続呈示することによって空間的注意の誘導も強まることが示唆された。

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