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[03心-ポ-39]身体的・心理的・性的な対人暴力被害の実態と加害特性に関する基礎的分析Violence Toward Athletes Questionnaireを用いた初期検討

*Hayato Toyoda1,2, Kensuke Ehara3, Takashi Kado4, Shun Iizuka4, Toshiro Endo4 (1. Integrated Graduate School of Medicine, Engineering, and Agricultural Sciences, Univ. of Yamanashi, 2. JSPS Research Fellow, 3. Hannan Univ., 4. Yamanashi Gakuin Univ.)
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指導者の不適切行為の相談件数は、新型コロナウイルス感染症の影響による一過的な減少はあるものの、総じて増加の一途を辿っている(日本スポーツ協会, 2024)。他方、欧米諸国では、Violence Toward Athletes Questionnaire(VTAQ: Parent et al., 2019)を用いた曝露率に関する知見の蓄積が加速している(e.g., Parent and Vaillancourt-Morel, 2020)。しかし、日本の体罰・暴言を含む対人暴力研究では、国際標準の構成概念に依拠した尺度整備は十分でない。本研究では、VTAQのCoach subscale(VTAQ-C)を用い、日本のスポーツにおける対人暴力被害の実態を把握するとともに、各暴力形態の加害特性に関した基礎資料を提示することを目的とした。大学生268名がweb調査に参加した。小中高いずれかの時期に競技スポーツまたは運動部での活動経験を持ち、DQS違反を除いた183名(M=19.5, SD=0.9)を分析対象とした。VTAQ-Cの項目度数分布は顕著な床効果を示し、スピアマンの順位相関分析では、VTAQ-Cの身体的・心理的・性的暴力はそれぞれ強い正の相関を示した。順序尺度得点をもとに2値変数の観点からも検討したところ、身体的暴力は66名(36.1%)、心理的暴力は74名(40.4%)、性的暴力は26名(14.2%)が被害経験を少なくとも一度は有しており、度数の偏りは有意だった。また、身体的暴力の被害経験あり群には、競技スポーツチームや大学運動部で現在も競技を継続している者が有意に多かった。加害者の性別は相対的に男性が多く、年代は30代を中心に分布していた。発生頻度の高かった場所は、全暴力形態で競技場・体育館が最も多かった。本研究は研究代表者所属機関の研究倫理委員会の承認を得て実施された。

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